紀里谷和明監督引退作「世界の終わりから」舞台あいさつで涙「監督としての使命、全うできた」

紀里谷和明監督引退作「世界の終わりから」舞台あいさつで涙「監督としての使命、全うできた」

目を潤ませな、声を詰まらせながらあいさつする紀里谷和明監督

(日刊スポーツ)

紀里谷和明監督(54)の引退作となる映画「世界の終わりから」(4月7日公開)の完成披露舞台あいさつが20日、都内で行われた。

テーマは「絶望」。事故で両親を失い、自らも生きる希望を失いかけていた女子高生のハナ(伊東蒼、17)に、突然世界を救う使命が託される。

04年に映画「CASSHERN」で映画監督としてデビューした紀里谷監督は、この作品を映画監督としては最後にすると発表している。「昨年7月30日にクランクインして、まだコロナが猛威をふるう中で、1カ月で撮らなくてはいけませんでした。圧倒的な苦労、努力、チャレンジをして、作り上げました。僕は来年で映画監督になって20年になります。20年かけて自分の伝えたかったものを、この作品でできました。過去5〜10年は絶望のどん底にいました。20年間、苦しみの中にいました。その中で伝えなくてはいけないものが未来への希望だった。映画監督としての使命があるのなら、この作品で全うできたと思う。これまで支えてくれた人、ファンに心から感謝したいと思います」と頭を下げた。

そして、客席にいた両親を紹介して「ご迷惑をかけました」と感謝の言葉を口にした。「映画監督には批判がある。苦しいと申し上げましたが、出来上がると喜びがある。これ以上の喜びはない。本当にありがとう」と声を詰まらせながら涙を拭った。

主役の少女ハナを演じた伊東蒼(17)は「この作品の台本を読んだ時は、どんな作品になるか想像できませんでした。『自分は1人じゃないんだ』という温かい気持ちになって、大変な状況の子を演じました。たくさんの方に支えられました。紀里谷さんが伝えたいことは、そばにいる人に少し気持ちを向けるだけで支えになれるんだということだと思う」と話した。

ハナを支える政府の特務機関の人間を演じた毎熊克哉(35)は「去年の夏前に初めて脚本を読ませていただいてから、紀里谷監督に初めて会いました。紀里谷さんの放つ人間としてのエネルギーは強くて『役はこれからだが、この作品を作り上げるのに本当に共闘してくれる人を探しているんだ』とおっしゃってました。この戦士のような人とやるには、相当な覚悟がいると思いながら、こんな人に会えたと『よろしくお願いします』と言いました。一生懸命演じました。この映画に向き合うことは、自分自身の絶望に向き合うこと、それは希望を探すことでもありました。誰よりも精神、肉体を切り刻んだ紀里谷さんには及ばないながらも、この映画を届けることができてうれしい」と話した。

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