棋王獲得の藤井聡太六冠、史上初の八冠は意識せず「やっぱりまだまだ実力的にも足りない」

棋王獲得の藤井聡太六冠、史上初の八冠は意識せず「やっぱりまだまだ実力的にも足りない」

六冠を達成した藤井聡太竜王は名産のいちごを手に笑顔

(スポーツ報知)

 将棋の藤井聡太五冠=竜王、王位、叡王、王将、棋聖=が19日、栃木県日光市の「日光きぬ川スパホテル三日月」で指された第48期棋王戦五番勝負第4局で、渡辺明棋王=名人=に後手番の132手で勝ち、シリーズを3勝1敗として棋王を初制覇した。羽生善治九段に次ぐ史上2人目で、20歳8か月での最年少六冠となった。以下は記者会見でのやり取り。

 ―今の率直な気持ちは

 「対局が終わったばかりで、まだ獲得できたという実感がそれほどあるわけではないんですけど、棋聖戦ではなかなか今まで良い成績を残せていなかったので、今期、五番勝負まで進むことができ、大変な将棋ばかりだったんですけども結果を残すことができたというのは非常にうれしく思っています。前期まで挑戦のチャンスを作ることが難しい状況が続いていたので、挑戦できただけでも非常にうれしい結果だったんですけど」

 ―絶対王者・渡辺棋王に挑戦したシリーズだったが

 「シリーズを通して角換わりの定跡型で、序盤から中盤の最初にかけて結構テンポよく進むという将棋が多かったんですけど、やっぱりその後の中終盤がどれも非常に難しくて、適切に判断できなかった局面も多かったと思う。難しい局面をいろいろ考えることができたという点では収穫の多いシリーズだったかな」

 ―初の八冠に一歩前進

 「直接そこを目指すという意識はありませんし、やっぱりまだまだ実力的にも足りないところが多いと思うので、引き続き実力を少しでも高めていけるように取り組んでいければ」

 ―第3局で敗北が糧になった点は

 「第3局は中盤から自玉が思っていた以上に不安定な形になってしまって、まとめることが難しくなってしまったというところがあったので、本局は自玉の安全のバランスを取りながら指せていければと。ただ途中で攻めに行くタイミングをいくつか逃してしまったところもあった。その辺りの調整が必要なのかなというふうにも感じています」

 ―久しぶりにマスクを外しての対局だった

 「今までと比べて違うかどうかは一概には言えないかなと思いますけど、集中して臨むことはできたかな」 

 ―タイトル通算13期で森内俊之九段を抜いて7位に

 「森内九段は自分が将棋を始めた頃から名人戦を中心に活躍されていて、目標としていた一人。タイトル数で比較できないですが、一つ一つ積み上げてこられたのは良かったなと思いますし、実績のある棋士の方の対局から学ぶことはまだまだ多い」

 ―ここのところ、持ち時間を残して終わるケースが多い。タイムマネジメントの意識を変えた点は

 「基本的には残り時間より局面の方が重要。時間を使って納得いくまで考えたいと以前から思っているが、早い段階で使い過ぎてしまうと、一局を通して見た時に困るので、考えてやっています」

 ―本日放送のNHK杯でも優勝。「実力的に少し足りない」という点は

 「早指し棋戦では今まで結果が出せていなかったが、今期は決断良く指すことを意識した。ただ最近は中盤以降、難解な局面を迎えることが多く、その中で考えてもうまく判断できないことが増えている印象もあるので、複雑な局面に対しても的確に判断できる力が一層、必要なのかな」

 ―「乗り鉄」として、六冠は、新幹線で名古屋から終点・東京へ向かうと、どの付近を通過中だと思うか

 「タイトルを増やすことが何とかできているんですけど、ただやっぱり内容には本当に大変なところが多いので、近づいているという感覚はそれほど無いですが…。そうですね、静岡ぐらいということでお願いします(笑い)」

 ―ファンに一言

 「本局は少し踏み込むを手を逃してしまったところはあったんですけど、粘り強く指すことができた。シリーズをしっかり振り返って、それを活かせるようになんとか頑張りたい。4月から名人戦、叡王戦が始まりますので、そちらもしっかり、いい状態で迎えて良い将棋にできるように頑張っていきたいと思います」

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