侍ジャパン栗山英樹監督(62)が、7日放送のテレビ朝日系特番「緊急特報!侍ジャパンWBC世界一の熱狂!」(午後7時)に出演。村上宗隆(23)のサヨナラ打で劇的勝利を飾った準決勝メキシコ戦の舞台裏を語った。
1点を追う9回無死一、二塁、不振に苦しんでいた村上に打順が回る展開となった。その裏で代打バントの可能性を告げられていた牧原大成(30)がVTR出演し、当時の状況を「城石(憲之)コーチから『ランナーが2人出たら送りバントいくから、気持ちを決めておいてくれ』と言われた」と明かした。
牧原は「でもその時言いました。本当に無理ですって。吐きそうなくらい緊張したし、(吉田正尚が)3ボールになった瞬間に、終わったと思いました」と極度の緊張状態だったことを吐露。「そこで腹を決めた時に、『このまま村上にいかせる』と」と、城石コーチから栗山監督の決断を聞かされたという。
城石コーチはその瞬間の牧原の表情に「顔面蒼白(そうはく)ってこういうことなのかなと。誰でもそうなるよな」と共感。村上を使うと決めた栗山監督の言葉を伝えると、「牧原も『そうですそうです。それがいいです』と。あの感じ今でも忘れないです。極限だったんじゃないですかね」と想像した。
一連のVTRを見た栗山監督は、進行の小木逸平アナウンサーから「裏側の気持ちを聞いてどう思われますか」と聞かれると苦笑い。牧原とやりとりをしていた城石コーチに「『マキ、大丈夫だった?』と聞いた時、普通だったら『はい!』と言うのに、(小さな声で)『…はい』と言ったんです。一瞬の間があった。何か僕に伝えたいことがあるんだと思った」と異変を察知したという。
栗山監督は「僕に言っちゃうと、監督だから迷うだろうなと彼も思っている。彼は彼で思っていることがあるんだと伝わった」といい、「絶対最後はムネでいくんだという気持ちと、監督としてやらないといけないラインの中で、最後に一番確率が高いのはムネが打つことと、僕が決めた」と振り返った。