NMB48は27日、ロームシアター京都で、シングル選抜をファン投票で決める“NMB48選抜総選挙”開票イベントを行い、1位は4期生で加入10年目の川上千尋(23、チームM)に決まった。川上は次作シングルで初センターを務める。イベント後、オンラインで会見した川上は、開幕3連敗と苦しむ阪神タイガースへエールを送り、キーマンにはベテランの糸井嘉男外野手をあげた。
加入10年目でつかんだ初センターは、ファンの後押しで実現した。
「NMB48は夢を見つける場所、通過点と言う人もいるんですけど、ずっと48グループでアイドルをしている人もいる。10年目で(初)センターは苦労してきた方かな」
川上は、照れ笑いしながら語った。熱烈に応援する阪神は無残にも開幕3連敗。それでも「いや、もう私が1位になったんで、阪神も1位間違いないです。オープン戦も最初、負け気味だったけど、最後は右肩上がりだったんで、シーズンもこれから上り調子でいってくれると思います」と前向きにとらえた。
そして、上昇へのキーマンにはベテランをあげた。自身がそうだ。アイドル10年目と言えば、もうベテランと呼ばれる域。「私もベテランと言われているので、糸井選手が活躍すれば、グンと勢いがつくと思います」。ベテランが先陣をきり、若手が活性化して躍動する構図を描く。
ここまでの自身のアイドル人生も、今のタイガースにダブって見える。
12年12月に4期生として加入。山本彩、渡辺美優紀の両輪がグループをけん引する中、同期の渋谷凪咲はすぐに頭角を現していった。自身はフィギュアスケート経験者で、ダンスの技量は長じていたが、性格的に押しの弱い面もあり、なかなか自信が持てない時期もあった。
それでも地道にダンスや表現力、パフォーマンスの腕を磨き、主力へと成長。阪神と縁の深いJoshinのCMへの出演権をかけたバトルにも勝ち抜き、CM出演が決まった。
「私にとって、阪神=Joshinさん。皆さんにもそう発信して、私のファン以外の方にも、伝わったのかな。皆さんが、私に自信をくださった」
阪神ファンへの訴求効果も感じつつ、この日は、最後の最後、1位で呼ばれる瞬間を待っていた。
「段々、スタンドマイクへの道が長く見えてきて。たどり着けるのかな? みたいな(笑い)。胸を張ってセンターと言えるような活動をしたいです。私を応援してくれる人、そうじゃない人にも認めてもらえるような存在になりたい」
あこがれ、背を追った山本彩、白間美瑠ら歴代のエースたちが背負ってきたものを「私も背負いたい」と言う。NMB48の魅力を広めていく活動も期す。
同期の渋谷凪咲は、多数のテレビレギュラーを抱え、芸人とともに機転のきいたトークで活躍。グループの知名度アップに貢献している。「私も、凪咲とはまた違って、阪神だったり、フィギュアだったり、趣味とか特技を生かして、いろんなところ、いろんな人に、NMB48をアピールしていきたい」と話した表情は、引き締まっていた。