■HYDEら総勢10組の著名アーティストが参加
同作は、アメリカやヨーロッパ、中国、日本などさまざまな国のアーティストをYOSHIKIがプロデュースし、彼自身がアレンジした楽曲で、それぞれのアーティストとコラボレーションする、その軌跡とライブを追った音楽ドキュメンタリー映画。
HYDE(日本)、SUGIZO(日本)、SixTONES(日本)、ザ・チェインスモーカーズ(アメリカ)、セイント・ヴィンセント(アメリカ)、ニコール・シャージンガー(アメリカ)、ジェーン・チャン(中国)、リンジー・スターリング(アメリカ)、スコーピオンズ(ドイツ)、サラ・ブライトマン(イギリス)という総勢10組の著名アーティストらが参加している。
舞台あいさつには、同作の監督を務めたYOSHIKIと、アーティストとして同作に出演しており、YOSHIKIとはTHE LAST ROCKSTARSでも共に活動中のHYDEが登壇した。
コロナ禍で始まったという今回のプロジェクト。あらためて制作の経緯を、YOSHIKIは「日頃ファンの皆さんに助けられて音楽活動をしてこられて、ファンのみんなのために何かできないかと。基本的には僕の友達のアーティストに声をかけて、こういうことになりました」と明かす。
また、3年にわたる制作期間の中で、苦労した点について聞かれると「僕は全部に関してこだわり過ぎちゃうんですよね。HYDEもよくご存知だと思うけど…」と話すと、横で深くうなずいていたHYDEは「よく3年で済みましたね。僕、10年ぐらいかかると思ってたんですけど」と打ち明け、会場から笑い声が。
それを受けて、YOSHIKIは「僕も10年ぐらいかかるなと思ってたんです。こだわると止まらなくなっちゃって。それがすごく大変でしたけど、いろんなアーティストの方たちが協力してくれて…」と仲間に感謝しつつ、「もともと僕は結構プロデュースとかもするので、あまり監督という意識はなくて、作品をいいものにするために指揮を執る…それが監督なんだなという思いでやってきました」と振り返った。
■HYDE、YOSHIKIは「本当に完璧主義者」
一方、そんなYOSHIKIからオファーを受けた時のことを、HYDEは「アーティストとしてファンの人に何かしてあげたいなという気持ちはあるんですけど、なかなかきっかけがなかったり、落ち込んでいたりする中でお誘いがあって。『その企画に乗っていいんだ』と。ありがたいですよね。(自分だけでなく)いろんなアーティストが僕にも何かできるのかな?っていう気持ちにさせてもらえて、とてもうれしかったです」と、当時の心情を交えて吐露した。
その後、観客にメッセージを求められると、HYDEは「ロスのスタジオに行ってもずっと横で(YOSHIKIによる)編集作業が続いておりました。それくらい本当に完璧主義者なYOSHIKIさんがなんとかここでOKを出したということで(笑)。それくらい魂のこもった映画だと思うので、ぜひご覧になってください」と笑顔でアピール。
そして最後にYOSHIKIは「最後はやっぱり自分との戦いになってしまって、妥協する自分と妥協できない自分、この作品を1日でも早くファンの皆さんに届けたいという自分…。(最終的には)このタイミングで出そう!という自分が勝ちまして、お披露目を迎えることができました。HYDEをはじめ参加するアーティストの皆さん、ファンの皆さん、たくさんのスタッフ。最後のエンドロールを見ると(関わった人が多過ぎて)延々と続くんですが、感謝しています。ありがとうございます」と、映画に関わった全ての人に感謝を込め、ステージを後にした。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)