25年後期朝ドラは小泉八雲の妻モデルの「ばけばけ」 P「今の私たちにも大切なものを示してくれる」

 NHKは12日、2025年度後期の連続テレビ小説(第113作)の詳細を発表した。タイトルは「ばけばけ」で、松江の没落士族の娘・小泉セツがモデルの物語となる。脚本はふじきみつ彦氏が手掛けるオリジナル。

 外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に、「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語となる。実在の人物をモデルとするが、大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描く。現在放送中の「虎に翼」(ヒロイン・伊藤沙莉)、24年秋スタートの「おむすび」(ヒロイン・橋本環奈)、25年春スタートの「あんぱん」(ヒロイン・今田美桜)に続く第113作目の朝ドラとなる。

 同作のプロデューサーの橋爪國臣氏は「ヒロイン・松野トキは、夢を宣言し、がむしゃらに追いかけるヒロインではありません。時代の中で取り残されたり、大勢の意見の中で埋もれていったりする人々に光を当て、尊重し、共に生き抜いていく、そんなドラマを作りたいと思っていました」と制作意図を説明。「脚本のふじきさんは、日常に潜む不条理をクスッと笑えるユーモアとして描き出すことができる方です。朝ドラを作るにあたって、ふじきさんなら、小さな声にも耳を傾け、日常の中にちょっとしたおかしみや悲しみが紛れ込み、気がつけば心が温まる、新しいドラマを作り上げることができると思いお願いしました」とふじき氏の理由を説明した。

 「ふじきさんと共に題材を探す中で、『小泉セツ』さんと出会いました」と橋爪氏。「セツさんが残した『思い出の記』には、淡々とつづられた日々の奥に、二人の愛情や苦しみ、喜怒哀楽があふれています。大きく変わっていく世の中に翻弄されながらも、夫・ハーンとともに暮らしていく姿に強く感銘を受けました。違う価値観を持つ者同士が、お互いを尊重して受け入れていく姿は、今の私たちにも大切なものを示してくれると思います」と記し、「セツと八雲が『怪談』を通じて時代を描き出したように、『ばけばけ』も今を生きる皆さんの心に響く朝ドラとしてお届けできたらと思います」とした。

 ヒロイン・松野トキ役と、その相手役となる外国人英語教師の役は、いずれもオーディションで決定する予定。主人公のオーディションでの起用は「あんぱん」の今田美桜に続き、2作連続となる。「虎に翼」「おむすび」はキャスティングだった。

 撮影は25年春にスタートする。

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