4月に開幕する第81期名人戦7番勝負の挑戦者を決めるA級順位戦最終9回戦の一斉対局が2日、静岡市であり、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=と6勝2敗で並ぶ広瀬章人八段(36)は菅井竜也八段(30)に104手で勝利し、稲葉陽八段(34)に同じく勝利した藤井とのプレーオフに臨むことが決まった。終局は午後10時20分。
後手広瀬は、三間飛車から穴熊に構えた菅井と同様、金銀4枚による穴熊の堅陣を築いた。夕食休憩後、角斬りから勝負に出た菅井の穴熊を大駒3枚によるサイド攻撃、頭上からは桂で攻め立て、次第に優勢を拡大した。
自身と藤井がともに敗れると、順位下位からの勝ち抜きによる最大5人のパラマス方式トーナメントの可能性もあった。A級は連続9期目で、過去8期中7期で勝ち越した実力者。渡辺明名人(38)=棋王との2冠=への挑戦権争いは、7勝2敗で並んだ藤井との2人に絞られ、いずれが勝利しても名人初挑戦になる。