NHK大河「鎌倉殿の13人」水鳥コントに続く“突き飛ばし死”演出で早くも残り9人に…第30回みどころ

 俳優の小栗旬が鎌倉幕府第2代執権・北条義時を演じるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜・後8時)の第30回「全成の確率」(7日放送)で、鎌倉殿・源頼家(金子大地)に呪いをかけていた、僧の阿野全成(新納慎也)の行いがバレてしまう。

 義父の北条時政(坂東彌十郎)と、その妻・りく(宮沢りえ)からの依頼で、頼家が病気にかかることを祈った全成。ふと冷静になり呪いをやめたものの、証拠隠滅に失敗し、頼家本人が知ることに。頼家に全成の厳罰をすすめる比企能員(佐藤二朗)。比企への対抗心と、言い出しっぺである罪悪感から全成をかばおうとする時政。結局は北条家と比企家による勢力争いのネタになってしまう。

 全成は外見は僧でありながら、源頼朝(大泉洋)の弟。義経(菅田将暉)を筆頭に非業の死を遂げた兄弟の中で最後まで生き残った人物だ。自分でも効果がないと自覚しながら呪文を唱え続け、頼朝の死後は周囲に後継者候補とそそのかされて髪も伸ばした。ふわふわと誰からも憎まれないキャラクター。いつの時代でも組織で生き残るのはこういうタイプなのだろうか、と思わせる。

 前週の第29回「ままならぬ玉」(7月31日放送)では「13人」のうち、さらに3人が退場した。冒頭で首おけに入れられた梶原景時(中村獅童)、時政の親友でもある三浦義澄(佐藤B作)、頼朝に仕え続けた安達盛長(野添義弘)。特に三浦義澄は最後、病気でぜえぜえしながらも、時政が見舞いに来ると元気になり「待っておったぞ四郎(時政)。一緒にいこう!」としがみついた。時政に「バカ言え」と振り払われると、そのまま死んでいたというラストだった。

 思えば、源平合戦の一つ「富士川の戦い」でも、時政と義澄が夜の河原でビンタの応酬をしており、ぶっ飛んだ義澄が川に落ちて水鳥の大群がバサバサバサ…。驚いた平家が退散というコントのような描かれ方だった。史実と史実の間にあるストーリーを面白おかしく創る三谷幸喜氏の脚本。当事者が生きていないからこそ、誰も間違いとは断言できない。

 番組関係者も「義澄のラストは演出です」としながらも、ドラマ内にはウソのような史実も多々。ちなみに、頼家に蹴鞠(けまり)を指南する平知康(矢柴俊博)が井戸に落ちたのは吾妻鏡に載っているエピソードという。義澄の最期は、SNSでは「面白すぎでしょw」「突き飛ば死」と笑いながらも「友情がにじみ出ていて、泣き笑いの名シーン」「こういう生き方がしたい」などと温かい声も相次いだ。

 第29回の平均世帯視聴率は11・9%で前回よりややダウン。同時間帯ではライバルのテレビ朝日系「ポツンと一軒家」に続く数字で、本紙調べの週間ランキングで10位に入った。後半戦に入って夏バテ気味なのは、“頼朝ロス”なのだろうか。主役級が一人減ったことで、比企能員のようにキャラが濃くなる人物もいる。現在“鎌倉殿の9人”。まだまだ気が抜けない。

(NHK担当・浦本将樹)

※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区

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