NHKの稲葉会長、相次ぐ不適切事案に「同根だ」…BS予算「意思決定あいまいだった」

 BS番組のインターネット配信に関する予算化問題で、NHKの稲葉延雄会長は21日、定例記者会見で「会長として重く受け止めている」と陳謝した。

 今回の問題では、総務相認可の規則で配信が認められていないBS番組を、動画配信サービス「NHKプラス」で配信するため、設備購入案を一部役員らが稟議りんぎだけで承認。前田晃伸前会長が決裁し、今年度予算に約9億円を盛り込んだ。

 稲葉会長は「稟議のあり方、経営の意思決定の仕組みが、あいまいなままにされてきた」と指摘。再発防止策を検討する弁護士ら4人による専門委員会を設置し、7月末までに意見をまとめると発表した。今後、稟議を承認した役員に対する責任も追及する方針だ。

 NHKでは先月、「ニュースウオッチ9」で、新型コロナウイルスのワクチン接種後に亡くなった人の遺族を、感染者の遺族に見えるように放送。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、同番組の審議入りを決めた。第2次大戦中の独ソ戦を取り上げた5月22日放送の「映像の世紀バタフライエフェクト」では、旧ソ連の最高指導者・スターリンの発言として別人の発言を紹介するなど複数の誤りが判明。修正版を再放送した。

 不適切な事例が相次いだことについて、問題の背景は「同根ではないか」と問われた稲葉会長は、「私もそう思う。もう少しリスクに敏感になり、未然に排除する対応力をつけないといけない」と強調した。

 この日は山名啓雄メディア総局長の定例記者会見も行われ、「映像の世紀」の誤りについて「資料の確認作業に不十分な点があった」と謝罪した。番組ホームページ上で修正箇所を示しただけで、放送法上の訂正放送をしなかったことについて、担当者は「対応はケースごとに総合的に判断している」とするにとどめた。

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