■衝撃だった黒幕“山猫”の正体
本作は、2023年に放送された「大病院占拠」(日本テレビ系)の続編。神奈川県初の国際空港「かながわ新空港」を突如として獣の面をかぶった武装集団が占拠。神奈川県警捜査一課の武蔵三郎(櫻井)が再び巻き込まれる。与えられた期限はわずか1日。極限状態で繰り広げられるタイムリミット・バトル・サスペンスとなる。
武蔵の妻で心臓外科医の裕子を比嘉愛未、裕子に接触する謎の男・大河をジェシー(SixTONES)、事件の指揮官を務める神奈川県警刑事部捜査一課特殊班(SIS)管理官・和泉さくらをソニン、武蔵の姉で人質となっている神奈川県議会議員・二葉を奥貫薫が演じる。
悠月(高橋メアリージュン)がリーダーとして率いた武装集団が暴こうとしていたのは、かながわ新空港の裏に潜んでいた新エネルギー物質の利権に絡む黒幕“山猫”の正体だった。最終回では、それが二葉であることが明らかになった。
衝撃を受けつつも事件は幕引き――、だが、まだ終了まで数分。何かあるはずだ、と視聴者もソワソワしたのは、前回放送後に更新されたあらすじに「最後に訪れる衝撃の十数秒」とあったからだ。
■ラストで登場した人物は…
武蔵が裕子、娘と手をつないで横浜の街を歩きだしたシーンから転換すると、その横浜を見下ろすビルの屋上にいる1人の人物の後ろ姿が映し出された。
そのバックに流れた警察の通信指令室の情報によれば「神奈川拘置所に起訴拘留中の被告人が逃走した」とのこと。そして男がケータイで誰かと話し始める。「ありがとうございました。助けていただいて」。
その声にピンときた視聴者も多かったかもしれない。電話を終えた男がコートのフードを脱ぎ、露わになった顔は、かつて病院占拠を起こした武装集団のリーダー、“青鬼”こと大和耕一(菊池風磨/Sexy Zone)だった。
■怪しいのは、武蔵の相棒だった本庄!?
大和の逃走を「助け」たのは誰なのか。登場からすぐにSNSでは考察が加速した。
劇中、武蔵と相棒を務めた本庄(瀧内公美)が捜査で大和に面会するシーンが幾度かあり、そのなかで大和が犯罪コンサルタントをしていた悠月とつながっていたことが明らかになった。だが、悠月は今回の事件で警察に捕まっている。
指摘が相次いでいるのは本庄だ。ビルの屋上にいた大和が着ていたコートが本庄のものに似通っており、髪型など雰囲気も似ていて本当はきょうだいなのではとの声もある。コートに関してはよく見るとボタンなどが違うようだが、本庄は警察に潜入している武装集団の仲間ではないかという考察もあったが、そうではなかった。ただ、拘留中の大和に面会しやすい人物であり、すきをつくことはできるかもしれない。
そのほかだと、人質になっていた客室乗務員の庭瀬(結城モエ)。途中で多くの人質がうそを暴かれ解放されていくなかで、なぜか獣メンバーの誰にも恨みをかっていないはずなのに最後まで人質だったという経緯があり、最終回では夫と子どもが心配しているから連絡させてほしいという描写が突然のようにあってそこが怪しいポイントであると。単に、同じく人質だったパイロットの久留米(富川一人)とW不倫だったことを回収しただけだろうか。
また、最後に武蔵&娘と合流する前の裕子の表情は浮かないものだった。大河の裕子への憎しみは、逆恨みといってもいいものだったが、それを憂いているのか、もしくは何か隠していることがあったのか。
エンドロールでは、キャストたちの中に菊池の名前はあったが、その後の最後の登場シーンではなぜかモザイク処理されていたのも意味深だ。“青鬼”ではない、新たな人物としての始まりも予感させる。
「最後に青鬼さんが全部持っていった」との声も多数なこのラスト数十秒の展開により、「続編匂わせなの?」「続編いつですか」「青鬼さん、今度はどこを占拠するんだろう」と期待が高まっている。
◆文=ザテレビジョンドラマ部