<どうする家康>松山ケンイチ“本多正信”が待望の再登場 「なかなかの主になられた」の一言に宿った説得力

松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)は7月30日に第29回「伊賀を越えろ!」を放送した。3月5日放送の第9回「守るべきもの」以来約5か月ぶりに本多正信(松山ケンイチ)が本編に登場し、家康(松本)のピンチを救う展開。相変わらずの飄々としたキャラクターで視聴者の注目を集めた。(以下、第29回のネタバレがあります)

■家康一行、命からがら伊賀越え

「どうする家康」は、誰もが知る戦国武将・徳川家康(松本)の人生を新たな視点で描く物語。「リーガル・ハイ」シリーズ(2012年ほか、フジテレビ系)の古沢良太が脚本を務める。

第28回「本能寺の変」で織田信長(岡田准一)が討たれた。家康と家臣たちは、明智光秀(酒向芳)が放った追っ手をかわしながら命からがら三河・岡崎へ。途中、服部半蔵(山田孝之)の進言で伊賀を越えるルートを選んだものの、伊賀の頭領・百地丹波(嶋田久作)に捕まり大ピンチに陥った。

■正信登場「本当に家康じゃ!」

「いい銭になるぞ」と百地が家康の首を斬り落とそうとした瞬間、正信が「こりゃ驚いた。本当に家康じゃ!」と、ひょっこり現れた。一向一揆に加担して三河を追放されて以来、家康の前に現れることのなかった正信だが、百地にも「軍師殿」と呼ばれ、頼りにされている様子だ。

正信は、百地が刀を振り上げるたびにあれやこれやと口を挟み、実にわざとらしく妨害。どこまでが正信の作戦なのか…その後、家康が冷静な現状分析を見せると、百地は「賢い物言いじゃ。軍師殿がほれ込むだけのことはある」と翻意。家康の首を光秀に献上するのをやめ、「おぬしに賭ける」と家康の縄を解いたのだった。

■「なかなかの主になられたようじゃ」

再登場後も「舌先三寸で伊賀に潜り込んでタダ飯を食らっておりました」と、みずから“イカサマ師”キャラをアピールする正信だが、実は弱き民に寄り添う信念の人であることが第9回では描かれていた。

第9回では、一向宗徒を相手に戦を仕掛けた家康に向かって「過ちを犯したのは殿だ」と一刀両断。「民が仏にすがるのは、現世がつらいからじゃ。殿が民をラクにしてやれるなら、誰も仏にすがらずに済むんじゃ。そのために民は、お前に米をたらふく食わせているんじゃ。おのれはそれをなさずして民から救いの場を奪うとは何事じゃ!この大たわけが!」と強い言葉で非難したのだった。

そんな正信が第29回で目の当たりにしたのは、大鼠(松本まりか)が「殿がまともな暮らしができるようにしてくださった」と叫び、半蔵たちが「わしが家康じゃ!」と身代わりになろうとする姿。そして家康が、主君らしく堂々と「わしの首をやる。だから、ほかの者は見逃せ」と彼らを守ろうとする姿だった。

「身をもって伊賀者を助けようとする殿様など初めて見ました。なかなかの主になられたようじゃ」と家康に笑いかけた正信。その目に、家康はかつてとは別人のように映ったことだろう。正信の才気煥発さが描かれているようで、見終えてみれば家康の成長ぶりも印象深い回となった。

■本多正信に喝采続々「本当に好き」

久々登場となった正信のナイスキャラぶりに、視聴者からも喝采の声が続々。「本多正信が戻ってきた!」「正信の再登場、おいしすぎる(笑)」「松山ケンイチの本多正信最高にいいキャラで本当に好き」といった声が上がり、第29回の放送後、Yahoo!検索ワードランキングでは「本多正信」がトップ10圏内に浮上する反響を呼んだ。

三河からは永久追放となった正信だが、「今、殿がおわすのは三河ではなく、遠江浜松…?」と、わざとらしく確認。家康も「そうじゃ、浜松じゃ。気が向いたら、浜松へ来い」と苦笑しながら応じており、正信が家臣団に復帰となる日も近そうだ。

次回は8月6日(日)に第30回「新たなる覇者」を放送する。織田家の跡取りを決める清須会議のてん末などが描かれる。

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