香川県三豊市内の中学生が企画からPRまで映画作りに挑戦する「映画制作スクール」の撮影が17、18日、市内で行われた。俳優の黒木瞳さんが講師として招かれ、生徒たちにアドバイスをした。
同市教育委員会などが、生徒たちに本格的な体験を通じて、将来の職業選択にいかしてもらおうと、2019年から始めた。今年は市内の公立中学から生徒32人が参加。映画スタッフらの指導を受けながら、脚本や衣装、俳優、撮影、宣伝などの役割を全員で分担し、二つの作品を制作している。
撮影は市立詫間中や周辺で行われ、黒木さんは、若年性認知症の母を持つ女子中学生や友人の葛藤などを描いた作品で、母親役を演じた。
脚本を担当し、出演もした豊中中3年、今井彩乃さん(15)は黒木さんの演技を間近で見て、「セリフの間の取り方や呼吸といった一つひとつで、見え方が全然違った」と驚いていた。
黒木さんは17日の撮影を終え、「声のトーンや速さなど演技の基礎をみっちり教えた。みんなが一生懸命で、作品への思いが伝わってきた」と笑顔を見せた。
作品は11月下旬に三豊市文化会館(マリンウェーブ)で公開される予定という。監督を務めた豊中中3年の糸川莉乃さん(15)は「詫間のきれいな風景や、人の絆や愛を感じてほしい」と話した。