■5月のデビュー以来、初のカムバック
LE SSERAFIMは2022年5月に韓国でデビューした5人組のガールズグループ。メンバー発表時、IZ*ONE出身のKIM CHAEWON(キム・チェウォン)とSAKURA(サクラ ※宮脇咲良)が加入することでも注目を集めた。デビュー曲の「FEARLESS」はSpotifyで累積再生1億回を突破、MVも公開1週間で5000万回再生を突破し、歌番組でも1位を4回獲得した。グループ名は“IM FEARLESS”を組み替えた造語。「世の中の視線に動揺することなく前に進む」という自己確信と強い意志を表している。
デビュー以来5カ月ぶり、今回が初のカムバックとなるメンバーは、「デビュー曲『FEARLESS』を超えるステージをお見せしたいです。一生懸命準備しました」と気合い充分。「ANTIFRAGILE」は予約数で既に62万枚を突破し、デビューアルバムの売り上げ38万枚を軽く超え、人気が加速していることを証明した。
リーダーのKIM CHAEWONは「今回のタイトル曲となる『ANTIFRAGILE』は、とても楽しい曲で、私自身も楽しみながら歌っています。デビューのときは、とにかく頑張らないと!という気持ちが強く、思いっきりは楽しめなかったんですが、今回はステージの面白さも知ることができて、表情の見せ方もうまくなったと思います」と語った。
そんな彼女についてSAKURAは「私はCHAEWONさんを(IZ*ONE時代から)長く知っていますが、リーダーの品格が感じられるほど大きく成長して、感心しています。私の意見をまとめて話してくれたり、練習をリードしてくれたりするとき、“さすがリーダー!”と思います」と褒め、CHAEWONはその言葉を聞きながら照れた笑顔を見せていた。
■力強さをみせつける「ANTIFRAGILE」のダンスは圧巻
ショーケースでは、タイトル曲の「ANTIFRAGILE」と「Impurities」の2曲を披露。「ANTIFRAGILE」はアフロラテンスタイルのポップジャンルで、繰り返し出てくる「ANTIFRAGILE」というフレーズが一度聴いたら忘れられない中毒性が高い楽曲。ダンスは休むところが全く無い激しさ。「振りやフォーメーションの移動が本当に多いし、生まれて初めてする動きとかもあって、本当に難しい」(KIM CHAEWON)、「デビュー曲の『FEARLESS』がバラードみたいに思えるほど激しい」(SAKURA)と、メンバーもかなり苦労した様子。腕の筋肉を見せながら自然にネコのような動作に繋がる「マッスルキャット」と名付けられた振り付けを練習するうちに、腕の筋肉が実際に付いたのだとか。歌い終えた後は、息が上がり、しばらくおさまらないほどだった。
「Impurities」はグルーヴ感のあるヒップホップテイストの楽曲。ある目標を決めてその道を進む過程で、予期せぬ傷が生じることもあり、新しく生まれた欲望によって不透明になることもあるけど、それもまた、自分が耐えてきた時間を象徴する、というメッセージが込められている。流れるようなダンスの中に力強さもあり、大人っぽい雰囲気が漂う。彼女たちの成長が感じられるパフォーマンスだった。
■作詞にも挑戦
「ANTIFRAGILE」は、「試練に直面すればするほど、さらに成長して強くなる」というメッセージ、そして「どんな困難があっても、実力と努力で克服して、LE SSERAFIMならではの道を開拓していく」という決意が込められているアルバムとのこと。
――LE SSERAFIMは、デビューアルバムでも自分たちの話をしてきたグループですが、今回も皆さんの経験や考えが込められてるのでしょうか?
KIM CHAEWON:誰もがそうであるように、自分が進む道がすべてバラ色ではないですよね。限界や困難に直面したとき、それをどのように見つめるかが重要だと思います。私たちは目標があって、どんな困難が訪れても乗り越えていこうという思いが強いグループなので、そういった部分をアルバムに盛りこみたいと思いました。
HUH YUNJIN:今、つらいときを過ごしたり、何かを超えなければいけない方はこのアルバムを1曲目から順番に聴いていただきたいです。楽しいリズムの「ANTIFRAGILE」を聴きながら盛り上がった後、最後の「Good Parts」で慰められたらいいな、と思います。私たちの音楽で、少しでも力や癒しを感じて共感していただけたら、とても幸せです。
――今回、皆さんが曲作りに参加したとのことですが。
SAKURA:私はアルバムの最後の曲「Good Parts(when the quality is bad but I am)」の作詞に、YUNJIN(ユンジン)さんと参加しました。完璧ではない自分の姿も自分の一部として受け入れる、という曲で、このテーマにすごく共感しました。体調や状況が悪いとき、自分にガッカリすることがあるじゃないですか。でも、そんな瞬間も愛したい、という考え方がとても良かったです。韓国語と英語で詞を書くのが少し大変でしたが、翻訳機の力を借りてがんばったし、自分が書いた詞が採用されたのがとても嬉しかったです。
HUH YUNJIN:私は3曲目の「Impurities」と4曲目の「No Celestial」の作詞にも参加しました。今回収録されてる5曲すべて、私たちの話だと言えます。なので、曲作りの作業にもっと欲張りになって臨めたと思いますし、聴いてくださる方々も共感できるような率直な私たちの考えを表現したかったです。詞を書くときは、「書かなきゃ」と机に向かうのではなく、その時々に浮かんだことをメモします。「Impurities」の歌詞は事務所のマッサージチェアに座ってるときに思い浮かびました。「Good Parts」は美容院、「No Celestial」は歌番組の楽屋で書きました。
HONG EUNCHAE:今回はプロデューサーとお互いに意見を出し合ったり、リアルタイムでモニタリングをしながら作業しました。なので、歌詞に込められたデティールもうまく生かせたと思うし、プロデューサーさんたちも「今回のレコーディングは早く終わった」と褒めてくださいました。
■MVは雨に打たれての撮影に
――自分自身で「ANTIFRAGILEだな」と感じることはありますか?
SAKURA:今回、MVとコンセプトフォトの撮影のときに雨が降ったんですよ。野外だったんですが、雨と今回のコンセプトが似合いそうだったので、そのまま撮影しました。雨に打たれての撮影になりましたが、思ったより大変ではなかったし、曲の雰囲気をもっと生かせたので満足してます。それと、私はずっと努力してチャレンジして…で今回で3度目のデビューになります。それこそが「ANTIFRAGILE」じゃないかな、と思います。
KAZUHA:LE SSERAFIMのメンバーになって初めてK-POPのダンスを習ったんですが、(15年間やってきたバレエとは違うので)最初はとても難しかったです。靴下が真っ黒になるまで1人で練習しました。今、その頃の映像を見ると、あまりにもヘタで恥ずかしいです。でも、諦めずに練習を続けて、メンバーたちと一緒にデビューして今があるので、とても幸せです。
――日本でも大人気ですが、海外での人気を感じるのはどんなとき?
KAZUHA:日本に仕事で行ったとき、自由時間のときに入ったお店で私たちの曲が流れていて、すごくビックリしました!
SAKURA:先日、日本で「K-CON」のステージに立ったんですが、日本の皆さんもすごく気に入ってくださって、幸せな気持ちでパフォーマンスしました。また、日本の音楽番組「THE MUSIC DAY」にも出演しましたが、私たちのような新人がその時間帯にパフォーマンスをするなんて普通はありえないことです。その上「FEARLESS」を韓国語で歌えるなんて、胸がいっぱいになりました。
今年、“第4世代ガールズグループ”と呼ばれるガールズグループが数多くデビューしているが、その中で「パフォーマンスと言えばLE SSERAFIMだ、と言われるようになりたい」と言う5人。一緒に過ごす時間が増えるほどにお互いの理解が深まり、最近は口に出さなくてもぴったり合うようになってきたんだそう。試練を乗り越えて絆が強くなり、まさに「ANTIFRAGILE」な彼女たちは、更なる飛躍が期待できそうだ。