柔道男子の五輪金メダリスト阿部一二三(26)が、6日放送の日本テレビ系特番「スポーツ中継70年 歴史を変えた瞬間TOP100」(後9・00)に出演し、妹の阿部詩(23)に打った愛のムチを振り返った。
テレビ放送開始70周年で、同局にノコルスポーツ中継の映像をひもとき、振り返る特番。番組では、スポーツ名場面の一つとして、きょうだいの稽古の様子を紹介した。そこには、一二三が詩を容赦ない力で畳にたたきつける、非情な様子が映し出されていた。詩はただただ打ちのめされるだけだった。
一二三の仕打ちには、理由があった。高校1年で出場した高校総体で、詩は反則技を取られてまさかの1回戦負け。その後1週間、稽古に身が入らなくなったという。見かねた一二三が、妹の復活を願い、稽古をともにした一幕だった。
稽古について、一二三は「僕から言ったような気がします」と振り返った。「(詩が)高校1年生から注目されてたので、気を抜けていたかなと」。精神をたたき直すための愛のムチだったという。一方で、「ただ、今あの映像を見たら、ちょっとやりすぎかな」とジョークまじりに反省も。MCの「くりぃむしちゅー」上田晋也は「完全にコンプライアンス違反」とツッコミを入れていた。
詩は見事に復活し、21年東京五輪ではきょうだいが同日金メダルという日本五輪史上初の快挙を成し遂げた。女子レスリング五輪金メダリストの吉田沙保里さんも「詩ちゃんが落ち込んでいる時に、お兄ちゃんが活を入れるって、あの姿に感動しました。最高の舞台で同日金メダルって、本当にすごいなって感動しました」と称賛していた。