現場では永作博美さんはじめ、共演の役者さんから刺激を受けています。東大阪市が舞台のひとつですが、皆さん、関西弁が大変そう。方言指導の先生が付きっきりで、セリフを音で聞いて、その中で自分の言葉にしてしゃべってはる。僕らは当たり前のように話してますけど、関西弁って独特のイントネーションがあるし、こんなに難しいんやって。関西人で良かったなと思いました(笑)。
僕が演じる岩倉悠人は東京に行ったりという設定もあって、僕自身の今の状態と似通っている部分があって。先生がおっしゃるには多少は標準語が出たりとかするのもリアルだそうで、セリフも自分なりに置き換えてやらせてもらっています。
セリフの覚え方は、サウナの中で何度も繰り返し声に出して染み込ませていく、というのが僕のスタイル。言えへんかったり、噛(か)んだりしたら、サウナから出られへん、というふうに自分にノルマを課したりしています。サウナって集中できるし、自分はずっとこのやり方です。
役柄や物語の背景を頭に入れて想像を巡らせていく作業ももちろんしますが、僕の場合、凝り固めすぎると独りよがりになるので、柔軟にやろうと考えています。相手がどう出てくるか分かりませんし、相手のお芝居と合わせるということも大事にしたいから。
監督さんともディスカッションしたりして、分からんことは聞いたり、アイデアを取り入れさせてもらったり。まさに“ライブ”です。俳優だけでなく音楽やバラエティーといろいろな活動をさせていただいてますけど、どの分野も根っこの部分は一緒やと思う。見てくれる人がおらんかったら成り立たない仕事。今回、ちょっとくせ者的な役どころですけど、表現の仕方とか、模索しながらやっているところです。
さて、まだ暑い日が続いていますが、僕にとって、集大成の夏でもあった一方で、次に向き合わんといけない夏でもあったかなと思う。「18祭」を無事に完走できたことは良かったけど、「ロック イン ジャパン フェスティバル」が台風の影響で中止になってしまったことは悔しい。まだまだ試練を与えられている。それも前向きにとらえて、次なるステージに向かっていきたいと思います。