鈴木亮平「この映画、作られないんじゃないか?」 「エゴイスト」主演までの葛藤明かし感無量

鈴木亮平「この映画、作られないんじゃないか?」 「エゴイスト」主演までの葛藤明かし感無量

映画「エゴイスト」公開記念舞台あいさつの最後に目を潤ませ、感極まった鈴木亮平(撮影・村上幸将)

(日刊スポーツ)

鈴木亮平(39)が11日、東京・テアトル新宿で行われた主演映画「エゴイスト」公開記念舞台あいさつの最後に、感極まった。松永大司監督(48)を前に「この映画が作られないんじゃないか? という瞬間がありました」「台本を読んで『これじゃ、やれない』と電話したこともあった」などと、主演までに葛藤、紆余(うよ)曲折があったことを明かした。そして、原作となった自伝的小説をの原作者で、20年に亡くなった高山真さんに感謝した。

鈴木は、宮沢氷魚(28)が演じたパーソナルトレーナー中村龍太と愛し合うファッション誌の編集者・斉藤浩輔を演じた。作品について「この映画は答えがないと思う。見た方が、これを愛と思うか、エゴと思うか、依存し合っているだけの、グロテスクな関係と思うか…本当に人それぞれだと思う。人生の、いつ見るかにも捉え方が違う映画。いろいろな色が見えてくる映画は、そうはない。誇りに思います」と評した。

続いて、自身が主演するにあたっての経緯を説明。「お話しをいただき、台本を読んで、原作にすごく感動し、ぜひやりたいと周りを説得し、やらせていただくことになった」と、LGBTQという簡単ではないテーマの作品に主演するために、周囲を説得したと明かした。

その直後から、せきを切ったように思いを吐露した。「届いた台本を見て、連絡を知っていたので、監督に『これじゃ、やれない』と電話したこともあった」と、台本に納得できなかったと明かした。松永監督から「僕を信じてくれ。僕が作る映画は、脚本から役者がリハーサルで演じたものを見て、どんどん生きたものにしていく。台本では伝わらないんだ、僕の作品は」と説得されたという。

鈴木は「今、こうして皆さんの前に立って、表情を見ていると、本当に、あの時、監督を信じて良かったなと思います。こんな作品が出来ると思わなかった。監督、ありがとうございます」と頭を下げた。松永監督の目には涙が浮かんでいた。

さらに鈴木は、声を震わせながら高山さんにも感謝した。「私事ではないんですけど、原作を生んだのは高山真さんという男性。この方がいなかったら、この映画も、今日(観客の)皆さんとお会いすることもなかった。残念ながら、この映画の最終決定を聞くことなく、お亡くなりになったと思うんですけど、1人の人間が残したものが、いかにいろいろな人たちに影響を与えるかという…」と涙声になった。そして「人生って突然、終わることもあるけれど…人間が世の中に与えられる影響って、すごいんだなと今日、改めて思っています。高山さんは、映画にもあるように『天国って言葉は全然信じない』とおっしゃっていた方だと思うんですけど…今日だけは天国の高山さんに感謝したいと思います。ありがとうございました」と頭を下げた。

鈴木が演じる浩輔の友人を演じた、ゲイ当事者で高山さんとも親交があったドリアン・ロロブリジーダ(38)は、鈴木のスピーチを受ける形で高山さんについて語った。「私は原作、著者の高山さんとは、亡くなる3年前から仲良くした。小意地が悪く、憎らしく、愛嬌(あいきょう)がある、すてきな方でした。観客の方が抱いている、柔らかい切なさ…彼が、どこからか見ていると思うけれど、思うツボというか、彼が思っていたようなことが、そのまま起きているんじゃないか」と語った。そして「原作を読んで、原作者が、どういう方か、という旅。鈴木さんも言った、旅に出られたら、映画はまた違った感じ方をすると思う。(性的少数者を扱った)クイア映画史上でも、まれに見る傑作だと思う。いろいろなことを考え、感じたことを話し合ってみてください」と訴えた。

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