安倍晋三元首相銃撃事件の山上徹也容疑者をモデルとした映画「REVOLUTION+1」の試写会が13日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で行われ、日本赤軍の元メンバーでメガホンを執った足立正生監督が記者会見を行った。
9月に行われた本作の上映イベントに都立大・人文社会学部教授で社会学者の宮台真司さんが参加していた。足立監督は宮台さんが11月に何者かに襲われて重傷を負ったことについて「(イベントに参加していたことが)関係があるか、ないかと聞かれたら、あるでしょう。でも、宮台さんは社会のまずいこと、まずいと思う発言に、あたり構わずケンカをふっかけてきた人。事件直後、本人は『びっくりすることではない。どう喝を受けてきたので、それが現実になっただけ』と言っていた」と明かした。
さらに「警察が『命に別条はないけど、重傷である』と発表したことに宮台さんが怒っている。命に別条がないのは重傷だと思わないから。私は命を失ったら、警告の意味がないから、プロフェッショナルの行動だと思いますね」と犯人像を推測。自身が襲われる可能性は「私は元テロリストと言われていて、私のような最底辺の人を襲っても何も得はないと思っている。何の恐怖も覚えていません」と冗談交じりに語った。
足立監督は7月8日の事件発生直後に「山上容疑者がなぜ事件を起こそうと決心したのか、映画で表現したい」と思い立ち、井上淳一氏と共同で脚本を執筆。8月下旬から9月上旬にかけ8日間で撮影。9月27日に日本武道館で行われた安倍元首相の国葬と同時刻に上映し、話題を集めた。山上容疑者については「容疑者を英雄視してはいけないが、彼の内面に迫りたかった」と話している。
映画は24日から横浜シネマ・ジャック&ベティ、大阪・第七藝術劇場、愛知・シネマスコーレでの上映が決定。今後、イベント上映も企画し、宮台さんにも参加を呼び掛けている。