シリーズ累計200万部突破の豊⽥悠の人気コミックを原作とする本作は、童貞のまま30歳の誕生日を迎えたことにより“触れた人の心が読める魔法”を手に入れた安達(赤楚)と、そんな彼に好意を抱く会社の同期の黒沢(町田)によるラブコメディ。「いやあ、うれしいです」と目尻を下げた町田も、「ありがとうございます。本当に感慨深いです。こうやってみんなで登壇するのも初めてですし、こういう機会をいただけたのも、本当に皆さんのおかげだと心から思っています」とファンの愛をひしひしと感じていた。
連続ドラマから映画化が実現し、「ドラマ版と映画版の撮影では変わったことはあるか?」と聞かれたメンバー。赤楚は「ほぼ、変わってないですよね」と笑顔を弾けさせ、「しいて言えば、(鈴之助演じる)浦部さんの髪の長さくらい(笑)。1年前と変わらずに撮影をしていました」とコメント。町田も「最初は『戻れるかな』とソワソワとしていたんですが、現場に行ってみんなに会ったら『全然大丈夫だ』と不安だった気持ちが全部吹き飛びました。これってすごいパワーだなと思いました」とチームへの信頼感を吐露した。
映画化が決まった時には「めちゃくちゃうれしかったです」と赤楚が言えば、町田も「ねえ!またみんなに会えるというのもうれしいし、あの続きができるんだ、あの世界に入れるんだと思うとうれしかったよね」と顔を見合わせて同調するなど、息ぴったりの様子を見せた2人。登壇者それぞれがドラマでしっかりと絆を育んだチームとの再会を喜ぶと、風間監督は「みんな同じ空気感のまま作品に戻ってきてくれた」としみじみと語りながら、「赤楚くんは久しぶりに会った時に少しだけ痩せてらっしゃった。安達に戻るために、お餅でしたっけ?頑張って食べていた」と赤楚の体重の変化ついて言及。赤楚は「めちゃくちゃ食べました。お餅で体重が付くと気づいて。体重計で毎日測って、自分にはお餅が合うんだなあと思ったので、お餅ばかり食べていましたね」と役作りにお餅が一役買ったことを明かしていた。
また“触れた人の心が読める魔法”が描かれる内容にちなみ、「心の声を聞いてみたいなと思う人」について質問を投げかけられるひと幕も。赤楚は「控室でしゃべったり、こうやってみんなで集まる絶対にしゃべったりするんですが、タイミング的にしゃべりたくないなと思っていたりすることがあるかもしれない。みんなが、本当に楽しかったのかなというのは聞きたいな。僕はすごく楽しかったですし、色鮮やかな日々を送らせていただいたんですが、みんなが同じ気持ちだったらうれしいなと思って…」となぜか気弱になり、これには町田が「楽しかったしかないでしょう!そんな心配だったの?」とにっこり。赤楚は「改めて」、町田が「改めてね、確認ね?」と続き、周囲も大笑い。佐藤は「ドラマ版の時から、男性陣は常に一緒に行動をしていた。男子校みたい。映画版ではもうちょっと大人になっているのかなと思っていたけど、全然違くて。ずっと一緒にいた」と印象を明かすと、町田は「子どもですよね」と楽しそうな笑顔を見せていた。
その町田の完璧すぎる素顔を暴露したのがゆうたろうで、「黒沢すぎて、嫉妬するくらい。嫌になるくらい完璧という言葉が似合う。疲れていてもそういうそぶりを見せない。僕は寝顔を撮るのにハマっているんですが、町田さんだけは追っかけていてもいっさい、寝顔を見せなかった。心からすごい人だと思う。本音を知りたい」と興味津々。町田は「たぶん大したことを考えてない」と照れ笑いをのぞかせていた。一方、赤楚の素顔を暴露したのが草川で「ラインを未読スルーされる。心の声を聞きたい」と申し立てられた赤楚は、「言い訳がましいんですが…未読がたまると『どこから返事しよう』と、頭がパンパンになって結局誰にもできない。既読をすることによって『返事をしなきゃ』と脅迫されているような気持ちになってしまう。電話が一番うれしい。電話だったら100パーセント出ます!」と釈明。草川が「嫌われちゃったのかなって」と心配すると、赤楚は「大好き」と愛を伝えていた。
温かな雰囲気いっぱいで会場を盛り上げた“チェリまほ”メンバー。赤楚は「この作品は、キャスト、スタッフみんなが伝えたいことや、この作品にかける思いも、みんなで同じ方向を向きながら、真心を込めてやってきた作品。何度でも観てほしいです」と願い、拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝