豪サンゴの危機遺産見送り ユネスコ保全審査始まる

 【リヤド共同】サウジアラビア・リヤドで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は13日、自然遺産に登録されているオーストラリアのサンゴ礁グレートバリアリーフの、存続が危ぶまれる「危機遺産」への指定を見送った。登録済み遺産の保全状況審査は14〜16日の予定だったが、議事が順調に進み、前倒しして始めた。

 グレートバリアリーフは世界最大のサンゴ礁群。委員会はサンゴの白化現象を「最大限憂慮」し、水質改善や気候変動対策などを求める決議を採択した。

 ユネスコ諮問機関などは昨年、危機遺産指定するべきだとする報告書を発表した。ただ保全に関するオーストラリア側の取り組みを評価し、委員会に先立ち公表した決議案では指定を求めなかった。前回2021年の委員会でも指定を検討したが見送った。

 13日は自然遺産「知床」(北海道)も審査した。保全に関する日本の取り組みをおおむね評価しつつ、一部の海鳥が半減していることに懸念を示した。

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