「ぼくも吉野家のファンなので、一ファンとして言わせてもらいたい」
俳優で司会者の谷原章介(49)は「吉野家」常務の不適切発言について、フジテレビ系「めざまし8」でそう切り出した。
「いわゆる高級なレストランとは全然別ジャンルで、比べるべきではない。高い料理もおいしいけど、400円でこれだけおいしいものを提供している。そこにプライドを持って欲しい。自分で自分の商品をけなす発言が僕、本当に残念でなりません」
語気を強め、本当に残念そうな表情を浮かべたが、会心のコメントだったのではないか。
小倉智昭の司会で22年間続いた「とくダネ!」の後番組として、昨年3月にスタートして約1年。「どうすれば皆さんに寄り添う番組ができるのか暗中模索です」などと、メディアに心境を語ってきた谷原が目指す「視聴者の目線」「生活者の目線」を打ち出せる絶好のネタ、タイミングだったからだ。
今月は女児の盗撮やら女子生徒への性的暴行などで同じ教師が3度逮捕された件で「子を持つ親として、本当に許せないし他人事じゃないですね」とコメント。広島から米カブス移籍の鈴木誠也外野手が2打席連続本塁打を放ったときは「鈴木誠也、2ホーマー!」と両こぶしを力強く握って、喜んでみせた。
「もともとフジが谷原にMCをオファーした理由は、日本テレビ系『news every.』の藤井貴彦、『ゴゴスマ』(TBS系)の石井亮次と、視聴者に寄り添う穏やかなMCが受けているからだとされました。ソフトな語り口といい、主婦層や若者層も狙える。谷原はそれに応えようとしてコツをつかみ、さらに視聴者目線をアピールできるタイミングを最大限生かそうとしている印象ですね」(放送作家)
■視聴率は好調
実際、手ごたえを感じているのかも知れない。朝8時台の民放情報番組はテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」、日テレ系「スッキリ」ときて、「めざまし」は3位が定位置だったのが、視聴率で「スッキリ」を上回る日が珍しくなくなってきているのだ。谷原と永島優美アナとのコンビは嫌みがなく、爽やかと評判も上々らしい。
もっとも、いつもうまくいくとはいかないようで。秋篠宮家の長女眞子さん(30)と結婚した小室圭さん(30)が米ニューヨーク州の弁護士資格試験にまた不合格だったと報じられた際は「おふたりの人生、まだ始まったばっかりじゃないですか。なんかこう、まずは人生楽しんでもらいたいと思いますよね」とエールを送ったが、視聴者からは批判の声があがり、ネットでも炎上。正月休みに甲殻類アレルギーを発症したことを打ち明けた上で「改めてもう一回挑戦しようと思います」と宣言したときも叩かれていた。
「谷原にも一定数アンチがいて、爽やかなイメージはうさんくさい、突っ込んだコメントも浅はか、勉強不足との見方もあります。そのあたり、本人もよく知ってのことでしょう。とはいえクイズ、スポーツ、音楽、料理と幅広く司会をやって20年のベテランですから、炎上すら計算に入れてやっているように見えます」(前出の放送作家)
マダムキラーの素顔は意外としたたかなのかも。