読売テレビは28日、制作局に所属する40代の男性管理職社員が飲食費用などを番組制作会社に不正請求させる行為があったと発表した。同日付で同社員を懲戒解雇処分、上司を減給処分などとし、同社員は全額計約1383万円弁済の意思を示しているという。
同局によると、今年7月、同局が制作する音楽番組「カミオト夜」の経費が毎月の予算を大きく上回る状態が続いたため経理局が精査。同社員が番組を担当した期間に番組制作会社(以下A社)から「追加演出費」名目で多額の請求が続いていたことが分かった。
同社員やA社への聞き取りの結果、同社員が飲食した際の領収証を月ごとにまとめてA社に渡し、その合計額を番組の「追加演出費」に上乗せして読売テレビに請求。同社員はA社から領収証の合計額と同額を現金で受け取っていたことが判明したという。不正期間は20年4月からの3年3カ月で、不正総額は約877万円に上った。
また、「追加演出費」名目の請求に対価性が不明瞭な「プール金」を含めさせたり、同じく対価性が不明瞭な「追加撮影費」名目の請求をA社にさせたりなどし、局に支払わせていた。これらは総額約506万円だったという。
同局は、「社員がこのような不正行為を行い、関係者ならびに視聴者の皆様の信頼を裏切る結果となりましたことを、心から深くお詫びいたします」と謝罪。「引き続き、過去に同様の事例がなかったか調査を行うとともに、社内のチェック体制を強化し再発防止に努めてまいります」とした。
なお、今回の件を受け、「カミオト夜」は年内で休止するという。同局広報はスポニチの取材に「終了ではなく休止としているが、再開のメドが立っているわけではない。検証を続け、さまざまな要因が明らかになるまでは休止せざるを得ない」とした。