将棋の最年少棋士・藤本渚四段(18)が岡部怜央四段(24)と対局した、第32期銀河戦本戦Dブロック3回戦が7日放映され、藤本が117手で敗れた。3月末までの今年度勝率で1位を走っていたが、藤井聡太王将(21)=8冠=に抜かれた。
藤本は対局前まで46勝7敗の・868から・852へ落とした。代わって44勝7敗で・863の藤井が首位に立った。両者は中原誠16世名人(76)が五段だった67年度に樹立した47勝8敗の歴代最高・855を3月末までで上回れるかで注目されている。
対局は1月9日に指され、藤本は後手。16手目、飛先の歩を交換するとさらに横歩も取った。82手目で解消するまで、居王のまま駒を前進させる積極的な陣形を選択。92手目、駒台の3桂から1枚を中段へ放ってさらに王手で成り込むと、飛車も斬って岡部王をつり上げた。駒台から今度は飛車を岡部王の背後へ打ち込んで迫ったが、反撃もここまで。110手目、飛車角金銀2枚に桂と豊富な持ち駒を誇る岡部が寄せに出て117手目、岡部が投了した。
藤井は10日に羽生善治九段(53)とのNHK杯準決勝の放映があり、現在2勝1分でリードする棋王戦第4局は17日に栃木県日光市で指される。藤本は8日に次戦となる、王位戦挑戦者決定リーグ紅組で佐々木大地七段(28)と対局する。