俳優・草刈正雄、娘でダンサーの紅蘭が29日放送のNHK「ファミリーヒストリー 草刈正雄特別編〜アメリカへ 決意の旅路〜」に出演した。
同番組は、草刈が「朝鮮戦争で死んだ」と母から聞かされていたアメリカ兵の父が10年前まで生きていたという事実が判明し、父方の親族に会いに行く様子を描いたドキュメンタリー。「ギャラクシー賞」テレビ部門の月間賞を受賞するなど大きな話題を呼んだ続編では、ダンサーの娘・紅蘭も登場。新たな視点で家族の歴史が深堀りされた。
紅蘭は「お酒を飲んだタイミングや弱音を吐くシーンの時は『どんな父親だったのかな?』『どう思う?』って言われます。100回以上聞いてます」とエピソードを明かすと、渡米を決意した父について「本当に勇気を振り絞ったというか。71年間モヤモヤしてた、悩んでたことを知る場面に一歩足を踏み入れるというのは、すごい覚悟だったと思う」と涙ながらに話した。
番組は進み父の墓前に立った草刈が複雑な表情を浮かべるシーン。立ち尽くす草刈は「この前に立てるとは思いませんでした。複雑ですね…どう言ったらいいのか」と感情の整理が付かない様子が映し出された。
父・ロバート・トーラー氏は、母・スエ子さんを日本に残している。女手一つで草刈を育てるなど苦労を重ねたスエ子さんだったが、紅蘭には一切その悪口を言わなかったという。
「私自身もスエ子さんから、ロバート・トーラーの話をよく聞いていた以上に、父もよく聞いていて。『本当に素敵な人だった!』って。結果は悪い言い方だけど〝捨てられた〟みたいな感じだとは思うけど、それを全く思わせない」
その後番組では草刈が父方の親族と初対面を果たし、何度も何度も温かい抱擁を交わした。人生を変える収録を終え帰国した父は「スッキリした表情」だったという。紅蘭にロバートの写真を見せ「俺に似てるか?」とウキウキだったようで「いろんな感情があったと思うけど、似てるってことに喜ぶってことは、憎しみとか怒りとかはないんだなって」と安堵していた。