脳科学者の茂木健一郎氏が2日までにX(旧ツイッター)を更新。自民党の松川るい女性局長が仏研修中に撮影した写真をSNSに投稿し、「観光旅行のようだ」と批判を浴びた件に言及し、反響が広がっている。
茂木氏は1日、この件を伝えたネットニュースを貼付し、「写真一枚で目くじらを立ててそのような底の浅い義憤とやらが通ってしまう世相の方がよほど問題だと思う。みんな余裕なさすぎ」と私見をコメント。
2日にも「自民党の女性議員のパリ視察旅行で、エッフェル塔の前のポーズを含む料理とかをネットにあげていたことが炎上している。議員が特権を持っているというイメージらしいけれども、どこかに旅行にいって写真をあげるというのはむしろ庶民的な感覚だと思う」とし、前日の投稿に反響があったことを明かした上で「統計的に要約すると、実際に日本人には余裕がない、そしてそのような日本にしたのは自民党だということらしい。それならば、次の選挙で政権交代すればいいだけの話だと思う」とつづった。
続けて「いただいた意見をアンサンブルとして見ていて解せなかったのは、パリに出かけること自体を無意味とか無駄とか言う主張で、ネットで情報収集すれば行かなくて済むとか、そういう考え方は人間の経験とか学びの本質がわかっていない的外れの思考だと思う」と指摘。
「国会議員だから、普通の人がいけない立法府や政府関連機関に行ったり、向こうのlaw makerと話すといった時間は持てるだろうし、実際持っているんだと思うけど、それ以外に、パリの町並みとか人々の様子とかそういうところからいろいろ知見を得ることも重要だ」と続け、研修に家族を同伴することも「ワークライフバランス的にも、むしろ好ましいことではないだろうか」と指摘した。
さらに茂木氏は「インテリジェンスのない思考停止の考えなしこそが日本の没落の原因ではないだろうか」などと持論を展開したが、ネット上では「余裕なさすぎ誰がした」「問題の本質がわかっていない発言」などの声が上がり、作家・乙武洋匡氏はXで「茂木さんの言葉に、SNS上では『そうだよ、庶民の暮らしに余裕なんてないんだよ』という悲痛な叫びが溢れている。政治家はこの言葉にどれだけ耳を傾けられるのか。いま自分がいる場所からの景色だけで政策を決めてしまっていないか。『他者の視点を持つ』大切にしたい」とつづっていた。