脳科学者の茂木健一郎氏が１０日、自身の「Ｘ」（旧ツイッター）を更新。世界的指揮者の小澤征爾さんを追悼した。
小澤さんは６日に心不全で死去していたことが９日、分かった。８８歳だった。ボストン交響楽団や、オペラの名門、ウィーン国立歌劇場で音楽監督を務めるなど「世界のオザワ」として知られた。
この日は２００９年にオペラ『ヘンゼルとグレーテル』のリハーサルで小澤さんと談笑するシーンを収めた写真を添えて、思い出を振り返った。
「小澤征爾さんの演奏で鮮烈に覚えているものの一つは、大学生の時に聴いた『サロメ』の演奏会形式のもので、その躍動する情熱が衝撃だった」という。当時は多くのマエストロの名演に触れたとしながら「英国留学中にロンドンで聴いたサイトウキネンは忘れがたい」と目を細めた。
また「小澤征爾さんの音楽の精髄は、その人間に対する愛、信頼にあった」と指摘し「芸術を厳しく追究しながらも、人間に対する眼差しはあくまで温かった」と評価。
「いつかこの日が来るとは思っていたけれども、ほんとうに残念です。マエストロの音楽は、ずっと人々をインスパイアし続けることでしょう。マエストロの音楽の輝きを思い出し、心から御冥福をお祈りいたします」と結んだ。
