元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏が12日夜、ユーチューブチャンネル「弁護士 若狭勝のニュース塾」を更新。「ダウンタウン」の松本人志が、女性問題を報じた週刊文春の発行元の文藝春秋などを提訴した裁判について、どのように展開していくのか解説した。
若狭氏は「証明、立証責任というのは今回の場合、文春側に結構球が投げられてるっていう感はある」と指摘する。松本側が「この記事は自分に対する名誉毀損」と主張するのに対し、「文春側がどの程度反証、あるいは反論ができるかというところが一番の裁判のポイント」と説明した。
そのため文春側は「証人として誰かに証言をしてもらう必要がある」。その場合は松本が提訴している、文春が昨年末に報じた第1弾の記事に出てきたA子さんが「証人として出てくるのかどうか、そこが一番のポイント」と指摘した。
だがA子さんは記事には匿名で出ているため、取材した文春側の記者を証人として呼ぶ可能性もある。この場合は「A子さんからこういう話を(聞いた)。本当に真実で、そのまま言ってもらって、それを聞いてそのまま記事にしてますよ」と証言することになるという。
一方、松本本人の出廷については「裁判の中の流れの中では、相当後ろの方」と指摘。「数か月以内に松本さんが裁判に出てくるっていうことはまずない」と断言した。
松本が出廷する際は、とにかく「こういう事実はない」ということを証言することになる。
若狭氏は「どこをもって事実がないと言うのか。そもそも会食自体がこの時にはなかったというところに設定するのか。会食はあったけれど性行為に及んだっていうことはなかったっていうことで土俵を設定するのか。性行為、あるいはそれに近いものはあったけれど、彼女の気持ちを無視して無理やりにやったっていうことは一切なかったっていうところに土俵を設定するのか」と指摘。
それには文春側と準備書面をやり取りしたうえで、「文春側がどの程度しっかりとした証拠を持っているのかということを見計らって、最終的には松本さんがどこの土俵で勝負するのが一番いいのかということを決めていく」と説明した。