ネパールのマナスル(標高8163メートル)登頂中に体調不良を訴え、入院した登山家の野口健さん(50)が24日に自身のインスタグラムを更新。ベッドに横たわり酸素マスクを付けた姿を公開した。
野口さんの公式ホームページ上で22日、野口健事務所から「野口ですが、昨日、C2に行き、ベースキャンプに戻る途中に呼吸困難となり、血中酸素濃度53%になってしまいました。酸素吸入を行い、登山隊同行医師に診てもらいましたが、肺水腫かもしれないとの事で、ヘリにてカトマンズにおり、病院にて診察してもらっています」と緊急搬送されたことを報告していた。
野口さんはこの日のインスタグラムの更新で、当時の状況について「キャンプ2の下山中から異変がドカンと現れ、ヘロヘロになりながら夕方にキャンプ1へ。もう疲れたからキャンプ1で寝ようかなと思いながら血中酸素濃度を測ったら50パーセント台。これはヤバいとヘッドランプをつけてベースキャンプへ。真っ暗闇の中、あのクレバス地帯をふらつきながら降るのは大変でした。最後は這いつくばるような、もう、そんな感じでした」と振り返った。
ベースキャンプに着くと数時間後に容態は更に悪化。酸素ボンベをテントに持ち込み、毎分2〜3リッターで酸素吸入するものの咳が止まらずその勢いで吐いてしまい「テントの中で溺死してしまうのではないか」という恐怖に襲われたと記した。
症状について「以前、敗血症の経験があるので、あの時の症状に似ているなと。横になると咳が酷くなるので朝方まで正座しながらの酸素吸入。呼吸をしている時に肺からシュワシュワと泡が溶けて行く時のような音が聞こえてくる」とつづった。
現在の状況については「峠は越えましたので、ただ、依然、両サイドの肺は肺炎。話すと咳が止まらなくなる」とし、退院のめどは立っていないとした。今回の登山に関しては「たぶん、相性というものがあるのだと思う。もちろん、ぼくの力不足なのですが。もう、マナスルはやめにします」と悔やんでいた。