■コースケに好感を持つなーちゃん
本作は、突飛な設定に現代の若者観を盛り込み、SNSを中心に話題を呼ぶ山本中学の同名漫画を実写ドラマ化。月額定額制のサブスクリプションと恋愛をモチーフに、今を生きる若者たちの恋に揺れる心情を瑞々しくもリアルに描いたサブスク×ラブストーリーとなっている。
本命として選ばれない虚しさと、恋愛感情を搾取され続けてきた苦い体験から脱しようとする女子大生のトモを紺野彩夏が演じるほか、高校時代からトモのことを一途に思う同級生のコースケを望月歩、好きな男性に尽くしすぎてしまうなーちゃんを寺本莉緒、そんななーちゃんをセフレにする役者志望のヨリを内藤秀一郎、トモの取り組みに興味を持つバリキャリOLのスミレを逢沢りなが演じる。
片思い相手であるトモが始めたサブスク彼女を終わらせるため、バイトを休んで東京のネットカフェに寝泊まりしているコースケ。いよいよタイムリミットが迫る中、彼は大胆な行動に出る。それはまず、トモと一緒に活動しているなーちゃんに、サービスを辞めてもらうよう直談判することだった。現在のコースケは事実上、トモ・なーちゃん・スミレの3人の彼氏。それなのに、自分はトモだけが好きだとはっきり告げるコースケになーちゃんは好感を持つ。第6話では、そんななーちゃんのトモに対する「羨ましい」という感情がどんどん広がっていった。
■本当に大事にしてもらったら人は変わる
なーちゃんにとってコースケは、今まで出会ったことのないタイプの男性で新鮮だった。人が不機嫌になったときや怒られたとき、真っ先に自分が悪いと思ってしまうなーちゃん。相手が求めるものに全力で応えようとする姿勢は彼女の美点ではあるが、その優しさにつけこむ人もいる。
だけど、コースケは違う。なーちゃんの意思を無視して無理やりサービスを辞めさせようとはしないし、ストレスからか胃痛を訴える彼女を一人置いていったりはしない。薬局まで胃薬を買いに走り、その症状が治まるまでなーちゃんのそばにいた。そんな風に初めて自分を大事にしてもらったことで、なーちゃんの心にも変化が現れる。
その夜、いつものようにセックスするためだけになーちゃんの家にやってきたヨリ。「女の子だってヤリたいときがある」を免罪符になーちゃんを都合良く扱っている彼だが、結局のところ自分の欲を満たしたいだけなのだろう。胃の調子が悪いとか、次の日仕事があるとか、そういうなーちゃんの事情なんてお構いなし。そんなヨリになーちゃんは初めて抵抗を見せ、ちゃんと避妊具をつけるように強く言う。面倒くさそうにするヨリに対し、なーちゃんは気持ちがどんどん冷めていくのを感じた。
■スミレが最強?サブスク彼女の円卓会議
そんな中、トモは今後のサービスについて話し合うため、なーちゃんとスミレを呼び出す。トモはどちらとも面識があるものの、なーちゃんとスミレは初対面だ。
一番年上のスミレが場を仕切り、はたから見ればただの女子会だが、トモとなーちゃんは気が気でない。コースケとはキス、ヨリとはすでに身体の関係まで発展しているスミレ。自分たちがやきもきさせられている男性を可愛いと言ってのける彼女の大人の余裕に、2人は負けた気になってしまう。
だけど、本当に羨ましいと思っているのは案外スミレの方かもしれない。“たかが”お遊びのサービス、“たかが”恋愛に一生懸命になれる2人を少なからず眩しく思っている。そんなスミレの提案で、1ヶ月後にサービスを終了することになった。つまり、コースケともヨリともあと少しで契約上の彼氏彼女関係は終わる。トモとコースケは事実上の両思い。一方、なーちゃんはコースケに気持ちが傾き始め、ヨリはスミレの魅力にハマりかけている。そんな歪な6人の関係はどんな結末を迎えるのだろうか。
最終回が見えてきた第6話の放送後は、「やっぱりスミレさんが一番強い」「女子も男子も両極端な性格の人が集まっちゃったなあ」「拗らせすぎててもどかしい」などの感想がSNS上でツイートされた。
■文/苫とり子