上方落語界の若手NO1を決める「第10回上方落語若手噺家(はなしか)グランプリ」の決勝が19日、大阪・天満天神繁昌亭で9人で争われ、笑福亭笑利が優勝した。
笑福亭鶴笑に2014年に入門。新作「或る夏の出来事」で栄冠をつかみ「どうしても勝ちたくて、このネタ今日作ったんです。できたのは出番前」と笑顔を見せた。4日に出演順の抽選会が行われ、ネタのタイトルを提出したのが9日だった。「この人は古典、新作というのを分析して、10日ぐらいから構想を練りました」と、インバウンドなど、日本人がスルーしそうな言葉の不思議な部分を浮き彫りにした、攻めた内容で勝負。「持っているネタでは勝てない。作る以外なかった」と5回目の出場で念願の優勝に安堵(あんど)の笑みを浮かべ、優勝賞金40万円を受け取った。
準優勝の笑福亭呂好は、決勝初進出のプレッシャーをはねのけた。08年に笑福亭呂鶴に入門。この日は古典「三人上戸」をアレンジし、見事に10万円を獲得した。トップバッターの出番に呂好は「焦っていましたね。普段は客席が見えるのに、お客さんの顔が見えなかった。でも走り出したら10分間、大きな声と勢いでやりました。決勝に残れたのは財産」と感謝した。