福島県沖地震で国の重文2点が破損…奥州藤原氏の政庁跡から出土の「漆器椀」と「漆器皿」

 岩手県教育委員会は12日、3月16日に福島県沖で発生した地震によって、県立平泉世界遺産ガイダンスセンター(平泉町)に収蔵していた国の重要文化財の漆製品2点が破損したと発表した。今年度中に破損した部分を修復するという。

 破損したのは、奥州藤原氏の政庁跡とされる「柳之御所遺跡」(同町)から出土し、県が所有する木製の「漆器椀しっきわん」(口径19・2センチ)と「漆器皿」(同10・4センチ)。12世紀後半のものと考えられ、他の出土品とともに2010年に国の重要文化財に指定された。

 2点は地震当時、センターの収蔵庫の棚でプラスチック製のコンテナ内に並べて保管されていた。地震発生後、職員が被害の状況を確認したところ、23日に漆器椀の一部が二つに割れたほか、漆器皿の口縁付近がばらばらに割れているのが発見された。

 県教委は地震の揺れで漆製品がコンテナ内で大きく動いたのが破損の原因とみており、今後、破損した部分を接合して修復する。文化庁には3月中に毀損きそん届も提出した。県教委生涯学習文化財課の久慈孝総括課長は「価値の高い文化財を破損し、申し訳なく思う。今後、様々な状況に対応できるよう適切な管理に努めたい」と話した。

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