藤川氏は7日投開票の都知事選で、得票数2位と躍進した石丸氏の選挙対策事務局長を務めた。石丸氏は現職の小池百合子氏に敗れはしたものの、165万8363票を獲得。一躍、脚光を浴びた。
石丸氏は17日の選挙期間中、都内240カ所で街頭演説を実施。一方で、政策はYouTubeで確認するよう促す、新旧手段を駆使したハイブリッドな選挙戦を繰り広げた。
今後の選挙の潮流について聞かれると、藤川氏は「良いか悪いかは別として、我々は活字世代なので」と前置きしつつ、「まったく読まない(若い)世代が、一部である意味、浅い知識で判断をしているという傾向があるから、決して奨励をするわけではない」と指摘。「だけども大きな趨勢(すうせい)の中で、ネットのイメージ、YouTubeというものが、石丸さんという虚像を積み上げた。この現実を見れば、やっぱり冷静に無視できない存在」とした。
その上で「AI(人工知能)と一緒で、そこを人間がうまく、律するものは律しながら、生かしていく方向で考えないと、通用しないだろうなという気はします」と見解を語った。
また、今回の“石丸戦術”について、「他の人がネットを駆使してここまで成果が出るかと言ったら、なかなか難しい」とも述べた。石丸氏が20年の安芸高田市長選に出馬したのは、裏金事件で元市長が辞職したことを受けてのことだった。藤川氏は「彼がラッキーなのは、安芸高田市の選挙の時も、広島であれだけの事件があった。今回も自民党のさまざまな問題があった背景の中で生まれてきた。そういうこともあったと思う」と分析。「一概にオールドメディアがニューメディアに駆逐されたわけではなくて、そこのちょうどせめぎ合いのところにあるんだろうなという気がしています」と、自身の考えを語った。
藤川氏が今回、石丸氏の選挙参謀に就いたのには、石丸氏を支援するドトールコーヒーの鳥羽博道名誉会長からの依頼だったという。同会長はYouTube動画で石丸氏の存在を知ったといい、藤川氏は「お歳を召された方も見始めている時代なんです。このまま10、20、30代がそのまま上に上がっていけば、あと10年で相当、政治の景色は変わるんじゃないかなというのを痛感させられました」と話した。