26日放送のNHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」(土曜後10・00)に、ロックミュージシャンの甲斐よしひろ(68)と俳優の中井貴一(60)が出演。甲斐がロックの世界に飛び込んだ理由や1970年代の大ヒット曲「安奈」のエピソードを語った。
福岡県出身の甲斐。米軍基地があった関係からFEN(米軍極東放送網)から流れる洋楽を聴いて育った。加えて4歳くらいのころからNHK「紅白歌合戦」の出場歌手の曲を全部覚えて人前で歌い「投げ銭されていた」ほど、歌うことに慣れ親しんでいた。
中学時代にバンドを結成。自分の声が生まれながらにしてハスキーであることが武器だと感じ「乾いている声(の歌手)は日本にはいない。この声でこの道(ロック)を追求していこうと思った」と決意の瞬間を口にした。
75年にデビュー2作目のシングル「裏切りの街角」がヒット。テレビ出演の依頼も相次ぎ何本かに出演したが、本番までに長く待たされることに「半日つぶれる。もったいない」と、以後はツアーに出てファンを増やしていくという方針を貫いたという。
79年に「HERO(ヒーローになる時、それは今)」に続いて、年末には「安奈」がヒット。歌詞の「北へ向かう夜汽車」という一節は、最初「南だった」と告白。一度それで歌ったが、しっくりこなかったことで「やっぱり北だな」と変更。甲斐は「当時の演歌や歌謡曲の歌詞も汽車はみんな北へ向かっていた」と話し、「北には魔力がある」と当時を振り返った。