生誕100年の岡本喜八、40年暮らした川崎で記念上映会…初回は誕生日に・年内は毎月開催

生誕100年の岡本喜八、40年暮らした川崎で記念上映会…初回は誕生日に・年内は毎月開催

川崎市内の自宅で読売新聞のインタビューに応じる岡本喜八監督(1996年1月17日、松田賢一撮影) 【読売新聞社】

(読売新聞)

 テンポの良い作風の映画で知られ、シネマ界に大きな足跡を残した川崎市ゆかりの映画監督・岡本喜八(1924〜2005年)の生誕100年を記念して、市アートセンター(麻生区)は12月まで毎月、岡本作品の上映会を開く。幕開けの一作は、監督自身が「一番好きな作品」と語っていた代表作「江分利満氏の優雅な生活」(1963年)。監督の誕生日である2月17日に上映される。

 岡本監督は鳥取県出身で、明治大卒業後に東宝に入社。1950年代終わり頃からメガホンを持ち、暗黒街シリーズや独立愚連隊ぐれんたいシリーズでヒットを飛ばした。

 終戦の秘話をドキュメンタリータッチで再現した「日本のいちばん長い日」(67年)、人間魚雷を命じられ終戦を知らずに海に漂う男を描いた「肉弾」(68年)など、戦争をテーマとする名作は多い。一方で、3人組の若者に誘拐された老女が事件を逆手にとって関係者を翻弄ほんろうする「大誘拐」(91年)、遺作となった時代劇「助太刀屋助六」(2002年)など、コミカルな作品も人気だ。

 川崎市との関わりは深い。結婚後から亡くなるまで40年以上にわたり、同市多摩区に暮らした。日本映画大学(麻生区)の前身・日本映画学校の特別講師を務めたり、市民映画祭「しんゆり映画祭」に協力したりするなど、市の文化振興にも力を尽くした。

 今年は生誕100年になることから、喜八プロダクションが「映画監督・岡本喜八生誕100周年記念プロジェクト」を発足。記念上映会はその一環で、初回の「江分利満氏の優雅な生活」は直木賞を受賞した作家山口瞳の半自伝的小説の映画化。戦後を生きる戦中派のサラリーマンの心情をコミカルに描く。

 上映後には妻で映画プロデューサーの岡本みね子さん、次女で女優の岡本真実さんらによるトークイベントも。同プロダクション社長でもある真実さんは「喜八は地元愛が強く、ここから芸術を発信したいと考えていた」と明かし、「どの作品にも反戦や平和への願いがにじみ出ている。世界各地で戦争が起きている今だからこそ、見ていただきたい」と呼びかけている。

 17日の上映は、午後0時20分から。一般1100円、高校生以下800円。問い合わせは、同センター(044・955・0107)へ。

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