俳優、生島勇輝(39)が5日、東京・渋谷区のDDD青山クロスシアターで舞台「みんな出ておいで〜」の初日を迎え、初の僧侶役をコミカルに演じた。
1570年頃の戦国時代に伊勢長島で起きた本願寺門徒の一揆を題材に、信長に制圧された庶民の悲喜こもごもや家来の武将たちの右往左往を描く。生島はどこかチャランポランな僧侶役。七木奏音(ななき・かのん、27)演じる紅一点の門徒から迫られ、揚げ句に現代のセクハラに通じる烙印(らくいん)を押されてあわてふためく様などで笑いを誘った。
舞台は正方形の板の間で、客席からは360度、全方位から見られる設定。演じ終えた生島はサンケイスポーツの取材に「どこからも見られているので、逃げ場がないチャレンジングな舞台。出演者の十人十色の個性とユニークな演出を楽しんでいただければ」と充実の笑顔を見せた。
観劇に訪れた父でフリーアナウンサー、生島ヒロシ(73)は「時の為政者が横暴だったり悪者だと、何かを信じて生きている善良な庶民が、虫けらのように踏みつぶされ命を奪われる。その不条理は現代にも通じるし、逆セクハラも含め、会話劇の面白さも存分に楽しめた」と太鼓判を押した。
出演者1人ひとりのほとばしる熱量も圧倒的だ。企画・プロデュースと演出は、出演もしている植木祥平(41)。10日まで。