番組は「祝!大谷翔平ホームラン王SP」と題し、今季44本塁打で日本人メジャー初の本塁打王に輝いた大谷の足跡を、VTRや関係者の証言をまじえ解説。WBCでの活躍も振り返った。王氏は番組内で、侍ジャパン前監督の栗山英樹氏と対談した。
大谷がメジャー初の本塁打王になったことに、王氏は「アメリカは初めて当たるピッチャー、そういう勝負が多いわけです。日本で打つよりアメリカで打つ方が難しい」と前提を解説。「あれだけ力負けしないで、むしろアメリカの選手、ファンがこれはかなわないという、ホームランの中身がすごかったでしょう?」と、強烈な一撃の連発で、本場・米国のファンの心をつかんだとした。
大谷の進化の理由として、王氏は野球を考える能力を挙げた。「彼は技術だけじゃない。自分が考えながら、相手との勝負をしたというのが、彼のいい結果が出ている元だと思う。我々でもいろいろ考えはしましたけど、彼のように幅広く、奥深く考えてはいなかったですね」。さらに、「ピッチャーもやる、バッターでも出るで、違和感ないんですよ。当然のごとくやっている。あそこへ行った人じゃないと分からないものってあると思う。すごいな、すごいなと言っているんじゃなくて、彼がどういうことをやりながら、一歩一歩のステップを上がっていったか興味ありますね」と想像をふくらませた。
一方で、「打った本人にとっては特別なことじゃないんですよね。自分だから。周りの人が言うほど特別なことじゃないんです」と、大谷の心中を察した。「そこに行くまでの相手の研究とかスイングのチェックとか、ずいぶん神経を使って雑念に惑わされないようにはしていたんだと思いますけど、やっぱり出た結果からしたら彼は素晴らしい」。あらためて称賛の言葉を並べ、「アメリカ人が一番待っていたヒーロー、それが日本人というね」と、自分のことのように喜んでいた。

