安倍派(清和政策研究会)の世耕弘成前参院幹事長(参院和歌山選挙区、不記載額1542万円)は、2022年に安倍派が資金還流を復活させた経緯への関与を否定。派閥の政治資金収支報告書への不記載は「一切知らなかった」と語った。参院選の年の改選議員に全額還流する仕組みが始まった経緯も「分からない」とした。世耕氏と橋本聖子元五輪相(参院比例、不記載額2057万円)は、選挙費用に充てていないと説明。西田昌司元政調会長代理(参院京都選挙区、不記載額411万円)は「世耕さんの答弁にまったく納得できない。安倍氏が還流をやめるよう言ったのに、それを積極的に続けていた派閥の幹部は責任重大だ」と述べた。
「知らなかった」と繰り返す答弁で、結局は、安倍派で違法な資金還流が続いてきた実態の解明に全くつながらず。国民の政治不信が一層深まることになった。
世耕、橋本両氏は安倍派の幹部だが、同派がいったん取りやめを決めた資金還流が復活した経緯について、ともに関与を否定。仮に知らなかったとしても、派閥の中枢にいた立場として、当時の経緯を調べ、国民に真相を説明する責任についての言及はなかった。
玉川氏は「基本的に全体を通して“知らない”“記憶にない”ということをみんなおっしゃっていて、さらには“秘書がやっていました”と秘書の責任にする。さらには西田議員は“幹部は責任は重い”みたいに、あたかも自分たち幹部ではない人間は責任が小さいみたいな。国民から見れば五十歩百歩ですから。責任のなすりつけ合いみたいな様相を呈してきている」と指摘。
そして、「世耕さんも“誰が決めたのか分からない”“誰が決めたのか私も知りたい”っておっしゃっていますよね。たとえば証人喚問をしたとしても、これまた“記憶がない”でいけちゃうわけですよ。だから僕は、せっかく政治改革特別委員会をつくることになったようですから、この中でまた同じようなことをやるのではなく、権限をそこで調査する第三者に与えて、国政調査権、最も強い権力ですからね。その調査権を与えて、元秘書も含めて(調査を)やって、とにかく何があったのかを解明する。それを国会の委員会に報告させる。それをしたうえで、法律をどうするという話に入るというステップを踏まないと、結局、何も分からないけれども法律を変えますっていうのはダメですよ」と自身の見解を述べた。