■「僕らの食卓」とは
同作は、三田織の同名人気コミックを原作に、共に食卓を囲むことで縮まっていく距離感を丁寧に描く食と家族のハートフルドラマ。育った環境の影響で誰かと一緒に食事をするのが苦手な会社員・豊は公園で年の離れた兄弟・穣と種に出会い、なぜか「おにぎりの作り方」を教えることに。それ以来、豊と穣兄弟は一緒に食卓を囲み食事をすることが増え、やがて家族のような存在となり、豊と穣の距離も次第に縮まっていく。
豊役を犬飼、見た目は怖いが、いつも弟の面倒を見ている家族思いの兄・穣役を飯島が演じるほか、明るく元気で上田家のムードメーカー的存在であり、穣の弟・種役で本格的なドラマ初挑戦となる前山くうがが出演する。また、穣と種の父で陶芸家である耕司役の原田龍二や、古畑星夏、市川知宏、てつじ(シャンプーハット)ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。
■豊が上田家にお泊りをして穣たちと夜を過ごす
上田家にお泊りすることになった豊。いつか別れが来ることを恐れてネガティブになっていたが、妻に先立たれた耕司と話をして前向きな気持ちになれる。
布団を敷いた部屋で、豊と一緒に寝られることが嬉しくてはしゃぐ種だが、もう寝る時間と諌められて大人しく床に就く。無邪気な種がかわいく、川の字で横になる3人がまたかわいい。
穣はおやすみと電灯を消すが、しばらくして「豊、起きてる? そっち行ってもいい?」と声をかける。豊は少し驚いてドキドキしながら、いいよと返事する。見ているこちらもドキドキとしてしまう。
■お互いの気持ちを話し合い、しっかりと抱き合う穣と豊
僕も話したいことあったんだと豊の方から口火を切って「穣のことが大事過ぎて臆病になっちゃった、ごめん」と言う。穣はそっかと受け止めると、俺も話したいことがあると言う。口ごもってうつむいた穣は豊の手を取ると、「思い悩んだら俺に話してほしい。2人のことは2人で考えたい」と豊の目をまっすぐに見つめて話す。
「うん、ありがとう、穣」と豊が答えると、穣は安心したようにほほ笑んで豊をハグする。豊もほほ笑んで抱き返す。豊は穣と並んで横になり、心のなかで「僕はこの夜のことを一生忘れない。種くんのかわいい寝息を。こっそり繋いだ穣の手の暖かさを。それから、僕が決心したことを」とつぶやく。
豊は会社で明るくなったと言われ、兄・勇樹から母親の誕生日のことを尋ねられると行くよと返事し、満ち足りた笑顔を浮かべる。
穣と豊が保育園のお迎えに来て、またまたはしゃぐ種。今日のご飯はばくだんおにぎりにしようと話していると、保育園のお友だちから「種くん、このお兄ちゃん誰?」と尋ねられる。豊がえっと…と言い淀んでいると、種は「ゆかた! 種の家族だよ」とサラッと答える。
穣が慌てて種に違うだろと訂正すると、豊は「ううん、僕は家族だよ」と種に言って、お友だちに「種くんとこれからも仲良くしてね」と声をかける。そして、豊は穣に「これからもこうしてずっと一緒にいよ。一緒にご飯を食べて、ずっと一緒に生きていこ」と微笑む。穣が感極まった表情で笑うと「はーい!」と元気よく種が手を挙げる。返事を種に奪われてしまった穣は「なんでお前が返事するんだよ」としゃがみこんでしまう。豊が穣が泣いちゃったよとからかうと、穣は種をくすぐって3人でじゃれ合う。
縁側でばくだんおにぎりを仲良く食べる3人の姿が写し出され、「これがこれからも続いていく、僕らの食卓」という豊の言葉で本ドラマは幕を閉じた。
穣と豊が恋だけでなく愛が深まって家族となるようすに胸が熱くなって涙がこぼれてくる。Twitterでも「超ド級のプロポーズじゃん」「私たちもこの夜をわすれないよ!」「感無量過ぎて、よかった以外の言葉が浮かばない…」と熱いコメントが寄せられた。また、次週スピンオフ「僕らの休日」が放送されることも発表され、「スピンオフまで、神です」「クリスマスプレゼントですか!? お年玉ですか!? 来週を楽しみに頑張れます」「嬉しすぎです もうすでに、僕食ロス」と歓喜の声があがった。
◆構成・文=牧島史佳