女子バスケットボールWリーグは、レギュラーシーズンを終え、4月2日(土)より上位8チームによるプレーオフが始まった。
プレーオフは1戦先勝方式で行われるセミクォーターファイナルとクォーターファイナル。2戦先勝方式で行われるセミファイナル、ファイナルを経て、今シーズンの女王が決定する。
富士通 圧巻「宮澤タイム」と町田選手の記録に迫るアシスト
4月2日にトッケイセキュリティ平塚総合体育館で行われた、セミクォーターファイナル。第一試合の富士通レッドウェーブ(レギュラーシーズン5位 ※以下同じ)vs日立ハイテククーガーズ(8位)の一戦は、富士通が87-71で勝利した。
高確率で3ポイントシュートを沈め主導権を握ると、そのまま勝利。
日立ハイテクはゾーンディフェンスで富士通のリズムを崩し一時10点差まで詰めたが、そこから追い上げるには一歩及ばなかった。
点差が縮まってきたところで本領を発揮したのが、宮澤夕貴選手。10点差となった直後、一気に連続で7得点を沈め日立の追随を許さなかった。その時間はまさに「宮澤タイム」。
今季ENEOSサンフラワーズから富士通に移籍した宮澤選手はENEOS時代、何度もこのプレーオフを経験している。
今回もしっかりとこの舞台に照準を合わせ、3ポイント5本を含む27得点の活躍は、圧巻としかいいようがない仕上がりだった。
また、前半だけで11本のアシストを記録した町田瑠唯選手。試合全体では17本と、驚異的なスタッツを残した。
オリンピック記録にもなった「1試合で18本」のアシストに1本届かなかったが、「世界の町田」にふさわしい圧倒的ゲームメイクで勝利に貢献した。
ルーキーコンビがこの日も躍動 シャンソン昨季の借りを返す
第2試合のシャンソン化粧品シャンソンVマジック(6位)vs三菱電機コアラーズ(7位)は、残り0.4秒までもつれる展開となったが、73-72でシャンソンが勝利した。
昨シーズンもこのクォーターファイナルで対戦した両者。73-70で敗れたシャンソンが、今季は借りを返す形となった。
また、吉田舞衣選手が17得点、佐藤由璃果選手は14得点と、レギュラーシーズンもチームを牽引したルーキーコンビが躍動した。
八雲学園高校から違う大学に進み、再びWリーグの舞台で同じユニフォームを着る2人。プレーオフでさらに飛躍するはずだ。
持ち前の強さをみせた富士通 若手の勢いが止まらないシャンソン ベスト4が出揃う
翌日4月3日(日)には、同じくトッケイセキュリティ平塚総合体育館で、クォーターファイナルが行われた。
第1試合、前の日に勝利した富士通を待ち受けていたのが、トヨタ紡織サンシャインラビッツ(4位)。ペースを掴んだのは富士通、前半を40-31で折り返す。
しかし第3クォーターに入り、トヨタ紡織は東京オリンピック代表の東藤なな子選手が得点にスティールにと躍動する。そのまま流れを引き寄せると一気に逆転、第3クォーターが終わってトヨタ紡織が55-48とリードを奪う。
富士通はその勢いに飲まれ得点に絡めない時間が続いたが、第4クォーター、前日も活躍を見せた宮澤夕貴選手、篠崎澪選手がここぞという場面で3ポイントシュートを沈める。
取るべき人が欲しいところでしっかりと得点を取る勝負強さをみせた上に、富士通の走るバスケも終盤発揮され、71-61で勝利。セミファイナル進出を決めた。セミファイナルでは、ENEOSサンフラワーズ(1位)との戦いが待っている。
第2試合は、デンソーアイリス(3位)vsシャンソン化粧品(6位)。前の日に激闘を制したシャンソンがその勢いのまま得点を重ね、44-28とリードして前半を終える。
デンソーはなかなか自分たちのペースにならず苦しい時間が続いた。第3、クォーター、シャンソンはディフェンスからブレイク、バスケットカウントなど、後半に入ってもエナジー全開。しかしデンソーも走るプレーが増え、少しずつ点差を詰めた。
62-52とシャンソンが10点リードで最終クォーターへ。10点前後の点差のまま時間が過ぎるが、シャンソンはその追随を許さず最後まで走り切り、81-71で勝利。トヨタ自動車アンテロープス(2位)とのセミファイナルへ駒を進めた。
セミファイナルの日程は以下の通り。
セミファイナル(2戦先勝方式)
4月9日(土)〜11日(月)@国立競技場代々木第二体育館
17:00 トヨタ自動車(2位)vsシャンソン化粧品(6位)
19:00 ENEOS(1位)vs富士通(5位)
※11日に1試合のみ開催となる場合は19:00試合開始。
※また11日は試合結果によっては試合が開催されない場合もある。