漫才協会(青空球児会長)の「第20回漫才新人大賞」が3日、東京・国立演芸場で行われ、結成8年目の「春組織」が大賞に輝いた。
参加資格は結成20年以内で、ベテランの出演も多かったが、「春組織」は初挑戦での快挙。36組エントリーの予選を勝ち抜き、8組での本選で見事、大賞に輝いた。ツッコミの具志堅セイト(25)は「初めて出て(賞を)取れたのでうれしい」と喜びを爆発させると、ボケの新垣一成(しんがき・かずなり=25)はトロフィーにかじりつき「名古屋市長のマネです」と金メダルをかんだ河村たかし市長をネタにした。
おじいちゃんの墓参りをネタに、規定の10分間で爆笑を誘った。審査員を務めた高田文夫氏(73)は「70年以上、漫才を見ているけれど墓参りのネタは初めて」と絶賛した。
2人は沖縄・糸満市出身で小中学校の同級生。別の高校に進んだが、高校卒業後に上京してコンビを結成し、マセキ芸能社に所属した。
事務所の先輩・ナイツの勧誘を受け20年に漫才協会に入会。副会長の塙宣之(44)は「ボクとしてはうれしい。ちゃんとネタをやっていた」と喜ぶと、「巨人で言えば大勢です」と守護神に君臨している即戦力ルーキーに例えてみせた。土屋伸之(43)も「若いですけれど、安心して見られる。腕がある。東洋館でさらに磨いてほしい」と祝福した。
漫才協会に加入直後に緊急事態宣言が発令され、浅草・東洋館での出番は数えるほど。それでもネタを磨いた。新垣は「東洋館でやっているネタのウケるところだけ残して、1年間じっくりとネタを作った」と語れば、具志堅も「10分のネタが苦手だったのでうれしい。お客さんの反応がない中で堂々と漫才をやるのは鍛えられました」と“寄席”の効果を口にした。
塙が大賞を受賞した5年後にM―1グランプリに出場したことを聞くと、新垣は「(同じように)5年でM―1に出て優勝したい」と夢を語った。