松竹新喜劇代表の渋谷天外(66)藤山扇治郎(35)が25日、「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」(5月3〜26日、大阪松竹座)の上演記念として大阪市内で行われた故藤山寛美さん(享年60)をしのぶ「愛の設計図」特別上映会のトークショーを行った。
「愛−」は寛美さん演じる建設現場の現場監督・石原と、石原の恩人の息子で一流の建築士を目指す文太郎の物語。大阪、東京公演で石原を演じる天外は「寛美先生はずいぶん怒ってはった。このままやったらちょっとパワハラのイメージがあり、ちょっとみなさんにはきついかな。でも昭和27年、現場というのはそれぐらいガンガンやられて仕事を覚えてきた」と振り返り、「今回はパワハラのイメージをとるべく、頑張ってやり、物語の芯のストーリーを届けたい」と意気込んだ。
文太郎役の扇治郎は「僕らの世代は石原監督みたいな人は少なくなってきている。40年前のお芝居だけど古く感じない。伝えたいことは建築の世界も役者の世界もいっしょなんだな。藤山寛美の実体験であり、人生経験を伝えているところがすばらしい。でも、天外さんが石原監督みたいに怖くなくてよかった」と笑わせた。
「昭和の喜劇王」とうたわれ、絶大な人気を誇った寛美さんこの世を去り、今年は三十三回忌にあたる。