海外のラーメンブームは『NARUTO』が貢献 アニプレックス元社長らが説明 日本の食×アニメが協力で海外市場拡大に可能性

海外のラーメンブームは『NARUTO』が貢献 アニプレックス元社長らが説明 日本の食×アニメが協力で海外市場拡大に可能性

都内開催のイベント『NARUTO THE GALLERY』より (C)ORICON NewS inc.

(ORICON NEWS)

 日本の「食」と「アニメコンテンツ」について海外で実施した調査結果の報告発表会が1日、都内で行われ、北川浩伸氏(JFOODO執行役)、夏目公一朗氏(一般社団法人アニメジャパン副理事長、アニプレックス元代表取締役社長)が出席し、人気漫画『NARUTO』(ナルト)が海外のラーメンブームに貢献したと説明した。

 『NARUTO』は、主人公の忍者うずまきナルトが、ライバルとの死闘や過去の因縁を乗り越えて、木ノ葉隠れの里の長・火影を目指すストーリー。『週刊少年ジャンプ』にて、1999年から2014年まで連載され、2002年からテレビ東京系列にてアニメの放送がスタートし、2007年からは『NARUTO-ナルト- 疾風伝』として2017年3月まで放送。日本だけでなく、海外でも絶大な人気を誇っている。

 作中のナルトはラーメンが大好きなキャラクターとして描かれており、度々ラーメン屋で食事をするシーンが印象的に描かれている。夏目氏は「NARUTOの中でラーメンが取り上げられていたことが、世界的なラーメンブームへ明らかに影響を与えたと思う」とし、「海外に行った時、『サンドウィッチやピザは食べ飽きたからラーメン屋探そうよ』と言うくらい。都市部だとラーメン屋はすぐに見つかり、現地の人が食べている姿を見ました」と伝えた。

 これを受け、北川氏は「我々がこのような仕事をしている中、『NARUTO』が世界のラーメンブームに貢献した』と想起することは中々ないと思う。そういう気づきがたくさん出てくると面白い」と日本の食とアニメの可能性を訴えた。

 日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は、政府の輸出拡大実行戦略を踏まえて選定した品目と国・地域において、日本産ブランド構築のためのプロモーションの実施。海外市場における現地ニーズの調査・分析・報告のほか、「日本の食文化」に関する海外に向けた情報発信活動を強化している。

 農林水産物・食品の輸出額は1兆4148億円(対前年比+14.3% 農林水産省調べ)、海外における日本アニメ及び派生関連市場は1兆3134億円(対前年比+6% 日本動画協会調べ)という結果から、日本の「食」と「アニメコンテンツ」という資産を掛け合わせることが、農林水産物・食品の輸出拡大にいかに寄与するか、その可能性を探るため、米国のロサンゼルスとフランスのパリで調査が行われた。

 結果、「食」と「アニメコンテンツ」を適切に組み合わせ発信することは、日本産品の価値を高めることに効果が見込まれ、海外市場における新たな需要を創出する可能性が期待されることが確認されたと報告された。

 具体的な課題や手法は、アメリカとフランスは日本の食や日本産食材の流通度合いなど異なる市場環境にあることを前提に、両国は日本の「アニメコンテンツ」に対する認知や浸透性も異なると説明。それぞれ「異なる市場性を考慮したターゲットの設定」「シナジー効果を発揮する日本の「食」とアニメコンテンツの組み合わせの具体化」「食×アニメコンテンツの認知向上に向けた具体的な手法の選定」などの必要性を把握したとし、今後はアジア圏での追加調査、アニメコンテンツに係る知的財産権への対応が課題だという。

 「加工食品は飲食シーンにフォーカスする」「食をより誇張的に表現する」「嗅覚・味覚・触覚・聴覚への興味を掻き立てる(例:天ぷらをあげる音など聴覚に訴える)」など初期仮設で市場拡大について説明。

 調査結果から、ロサンゼルスは「既存のメジャーアニメコンテンツタイトルとのコラボが最適」「アニメ展示会、イベントを通じた若年層向けの認知拡大が有効」、パリは「新規の日本アニメコンテンツのコラボの需要度が高い」「現地での日本の食の流通状況から、PRと流通、両面での事情推進が必要」など、国々で展開の違いを伝えた。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね♡
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アフィリエイター初心者です!よろしくお願いします。

目次
閉じる