海に潜む衝撃の危険生物 水族館で人気のエイで絶体絶命の状況に?

テニスが大好きだった12歳の少女が、水族館で人気のある危険生物によって絶体絶命の状況に。

2018年7月、千葉県。中学1年生だった由衣さんは、友達とその母親との3人で九十九里浜へ行くことに。九十九里浜は海水浴客やサーファーで賑わう有名ビーチで、彼女たちは足腰を鍛えるため自主練にやってきたのだった。

真夏日だったこの日、海へ入ることに。浅瀬で水浴びをしていたがそこには息をひそめる危険生物がいた。それは、エイ。水族館では人気の生き物だが由衣さんを襲おうとしているのはアカエイだった。

胴体部分は最大1mほどに達する。河口付近や浅瀬を好む習性があり東京湾付近の河口にアカエイが大量発生したこともある。特に春から夏にかけては、繁殖のために浅瀬の砂の中に潜っていることが多いため非常に見つけにくい。そのアカエイが、彼女のすぐ近くに迫っていたのだ。

由衣さんの足に何かが刺さる。そして痛みで溺れ「由衣ちゃんどうしたの?」と友達と母が駆け寄り、浜まで救出。由衣さんの足はアカエイの尻尾の毒針が細い足を貫通していた。アカエイは防衛本能で尻尾を振り回すのだが、その尻尾を誤って踏んだ由衣さんが毒針で攻撃されたと思われる。その毒は、嘔吐・痙攣・血圧低下・呼吸困難などを引き起こすという。まだ解明されていない部分が多いが、その毒は細胞そのものを破壊すると言われる。

救急車を呼んでいる間に由衣さんはあまりの痛みでトゲを自分で抜こうとするが、毒針には返しがついているため抜くことができない。そこにたまたま海に来ていた看護師が駆けつけすぐに止血を行った。

数分後、救急車が到着。救急隊員は緊急搬送を各病院に当たるが、一向に受け入れ先が見つからない。トゲの摘出には整形外科・麻酔科など複数の科の判断が必要なため、受け入れ先が見つかりにくいのだ。

その後ようやく病院に到着したのは事故発生から3時間後だった。そこで医師によりようやく「エイの毒針」だと判明。処置はうまくいったはずだったが、刺された翌日傷口部分を中心に、左足全体がパンパンに腫れあがり、痛みも増していた。医師は「おそらくエイ毒によってコンパートメント症候群が起こっています」と診断。人の腕や足は骨や筋肉の膜などでいくつかに区画が分かれていて、傷などが原因で腫れると、区画内の圧力が上昇しそれにより神経や血管が圧迫され手足のしびれ・痛み、血流障害などが起こる。

彼女の場合、エイの毒により筋肉が腫れていたのだ。エイの毒は、40℃〜45℃のお湯で30分以上温め続けると弱めることができるが、手術の際、お湯で傷口を温め洗浄を行なっていたものの時間が経ち毒が回ったと思われた。

医師は「場合によっては、筋肉が壊死することもあります。すぐに手術をして腫れを取り除きましょう」と手術を決行。

この事故から5年、現在17歳になった由衣さん。「車椅子生活も覚悟したんですけど、リハビリや練習を頑張って、元通り走ったりテニスもできるようになりました」と回復。さらに強豪校のテニス部に入部、全国大会に出場するほどにまでなったという。彼女のように処置が遅れることは稀だが、重症になる場合もあるため万が一、エイに刺された時は、すぐに救急車を呼ぶことが大切だ。

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