死後の世界にも格差がある?「アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜」は考えさせられる一本

死後の世界にも格差がある?「アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜」は考えさせられる一本

ロビー・アメル(左)とイタリア・リッチ(ロイター)

(東スポWeb)

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。いや〜ビックリしました。東スポさん、NFTやメタバース(仮想空間)の分野に進出するんですね! 東スポ餃子から最新のデジタル技術に飛ぶって想定外! というわけで、本日はこのニュースに絡めた作品をご紹介します。

 アマゾン・プライム・ビデオ「アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜」です。一昨年にシーズン1が配信され、先月シーズン2が配信されたばかりなのですが、これが米国で話題沸騰中なんです! 物語の舞台は、生前の記憶や意識をデータ化してクラウドに保存させることが可能になった2033年。そこでは、高額料金を支払うと、死後も仮想空間で生き続けるサービスがある世界が描かれます。

 アプリの開発会社に勤める主人公の男性ネイサン(ロビー・アメル)は、車を運転中事故に遭ってしまいます。セレブの恋人イングリットから「死後もつながっていたい」と仮想リゾート「レイクビュー」に“アップロード”を勧められてサイン。そしてネイサンは死に、レイクビューで目を覚まします。仮想リゾートでは、サービスにグレードが設けられ、その都度課金しないと十分なサービスを受けることができません。お金がないとギガ数も少なく、すぐフリーズ。その点、富裕層のイングリットはさまざまなことが可能です。ゴーグルを着ければ、ネイサンとコミュニケーションを取ることもできます。死後の世界でも格差社会があることを皮肉っているんですよ。

 そうこうするうちにネイサンは別の女性と恋に落ち、お金を出してもらっているイングリットと別れようとします。さらに、自身の自動車事故に他殺説が浮上したことで、物語はミステリー要素まで出てきて…あとは本編をご覧ください!

 僕はこの作品を見たとき、そう遠くない時期にこれらのことが現実のものになるのではないかと思いましたね。実際もう、オンラインでお葬式をやっていますし。ただ、寿命を迎えても、生かされ続けるのは、ある意味地獄かもしれませんね。死生観にも影響が出そうです。命は限りがあるからこそ尊いわけですから。今後デジタル技術の発達はどんどん加速していくと思いますが、いろいろ考えさせられる一本でした。 

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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