正倉院展10月26日開幕…七宝を施した「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」など57件公開

 奈良国立博物館(奈良市)は31日、「第76回正倉院展」を10月26日から11月11日まで開催すると発表した。金属にガラス質の釉薬ゆうやくを焼き付ける「七宝」で装飾された鏡「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう」など天平時代の息吹を伝える57件(初出展10件)が公開される。

 鏡(径18・5センチ)は銀製で、深緑色や黄色の釉薬をのせて焼いた大小18枚の花弁形の板を貼り合わせ、想像上の植物である宝相華ほうそうげを表している。正倉院に伝わる鏡の中で唯一、七宝を施している。

 樹木の下で向かい合う鹿を板締め染めの技法で表現した「鹿草木夾纈屏風しかくさききょうけちのびょうぶ」や、精巧な寄せ木細工で飾った献物用の箱「沈香木画箱じんこうもくがのはこ」など工芸の技を凝らした名品が出展される。

 原則、事前予約が必要な日時指定入場制で、午前8時から鑑賞できる。

 読売新聞社は正倉院展に特別協力します。

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