作家の森見登美彦さんが読者と語り合う「よみうり読書サロン」(読売新聞大阪本社主催)が23日、京都市中京区の読売京都ビルで開かれた。1月23日付本紙朝刊(大阪本社版)に発表した掌編小説「ゲームの時代」の創作秘話に、約100人が聞き入った。
1980年代、小学3年の少年が体験したテレビゲームを巡る奇妙な物語。自身の経験が投影されているといい、「エッセー的な内容を小説にできるのかという実験だった」と明かした。小学3年は「自我が確立され、自分の中に様々な妄想が生まれた頃。物語を書き始めたのも同時期だった」と振り返った。
参加者からの質問も相次いだ。森見さんは「小説の意味は作者が決めつけないで、読者がどんなふうにでも解釈できる方がいいと思っている」と話した。