人気バンド「サザンオールスターズ」の桑田佳祐さん(66)が中学時代から親しみ、住民やファンも愛した神奈川県茅ヶ崎市東海岸南のパン店「清月」が15日、64年の歴史に幕を下ろした。店主の高橋ツナ子さん(88)は「佳祐を息子のように慕った。皆さんのおかげで続けられた」と感謝を語った。
午前6時に開店すると、中学生だった桑田さんにリクエストされて「まかない」として作り、看板メニューとなった「サザン佳祐ドッグ」など314個が1時間半ほどで完売。ツナ子さんはファンに求められて写真撮影に応じた。最後は「おばちゃんありがとう」と拍手に包まれた。前夜から一番乗りで店に並んだ津市の男性(54)は「ファンとしていてもたってもいられずに初めて来た。本当にご苦労さま」と話した。
1958年に夫の清さんと開業。学校帰りの中高生らでにぎわい、野球部だった桑田さんも学生服で通った。2000年夏の地元ライブで流されたツナ子さんのビデオが話題となり、ファンの「聖地」となった。15年前に清さんが亡くなった時は、桑田さんから励ましの手紙を受け取り、営業を続けられた。
この日はツナ子さんの誕生日。桑田さんからは花とともに「お誕生日おめでとうございます&長い間大変お疲れ様でした!!」とメッセージが寄せられていた。