上方落語協会は16日、大阪の定席・天満天神繁昌亭で活躍した落語家を表彰する「第17回繁昌亭大賞」の大賞に桂二葉が選ばれたと発表した。芸歴25年以下の落語家を対象に2007年に創設された同大賞を女性が受賞するのは初めて。
奨励賞は笑福亭鉄瓶、芸歴15年以下を対象にして新設された新人賞は桂三実が受賞した。
二葉は2011年に桂米二に入門。昨年、NHK新人落語大賞を女性で初めて受賞して一躍人気者になった。繁昌亭大賞の選考理由には、その集客力と、性別に関わらず面白い高座を務める点が挙げられた。
大阪市内で行われた受賞会見で二葉は「ええのかなという感じ。うれしいっていうか、恐れ多い」と驚いた一方で、「NHKの後は、どうしても『女性初』と言われますが、もうええやろと思います」とキッパリ。今後の指針については「『このオバハン、何考えてるんやろ』と興味を持ってもらえる芸人になりたい。ネタは50本を目標に」と話した。
会見に同席した上方落語協会の笑福亭仁智会長は「二葉が新人賞かと思っていたら、飛び越した」と大賞一発受賞をたたえ、「協会としてはしばらく彼女(の勢い)に乗っていく」とさらなる躍進を期待した。
奨励賞の鉄瓶は、自ら対象者を取材して作り上げる「ノンフィクション落語」という新ジャンル開拓が評価された。上方落語界の活性化を図る5人組ユニット「五楽笑人」のリーダーは「上方落語を見ていただける場を僕らが作っていかなアカン。二葉さんに食らいついていくぐらい頑張らなければ」と後輩の大賞受賞に発奮した様子。
新人賞の三実は、古典だけでなく斬新な発想の新作落語に取り組んでおり「師匠(桂文枝)から常に『新作を作るように』と言われているので、続けていきたい」と話した。
来年3月1日に、繁昌亭で受賞記念落語会が開催され、来春に二葉、鉄瓶の受賞記念ウィークの開催が予定されている。