92年バルセロナオリオンピック(五輪)の柔道女子52キロ級銀メダリストで、スポーツ社会学者の溝口紀子氏(53)が3日、ABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜午前9時30分=関西ローカル)に生出演。柔道男子60キロ級の準々決勝で、永山竜樹(28=SBC湘南美容クリニック)が、フランシスコ・ガリゴス(29=スペイン)から絞め技をかけられ、「待て」の後も締められ続けて敗れた場面に言及した。
この場面をめぐって、溝口氏はポイントを3点あげ、説明した。
<1>「待て」が掛かる前から絞めの効果はあった
溝口氏 経験上、すでに入っていたんじゃないか。入っていたなら、半落ち。半分意識がなかったんじゃないか。もし入ってなかったら、起き上がりますから。半落ちで、すでに落ちていた(意識がなかった)なら、「待て」が入っても、国内であっても1本とられていた可能性があります。
<2>故意ではなく「待て」が聞こえていなかった
溝口氏 これも、あるある。すごい観衆で、ありありで。本当に聞こえてなかったか、定かではないですが。
<3>腕もパンパンになっていてすぐには外せない
溝口氏 これもよくあるんですが、ものすごい力を入れて、締めています。なので、自分でも、外そうと思っても、すぐに外せないことがある。外そうとしても外せないんです。
ポイントごとに詳細に解説した溝口氏。ではなぜ、日本のコーチ陣が猛抗議したのか−。これについても背景を読んだ。
「コーチ陣も(一本負けと)分かっているはずなんですよ。でも、そこに『日本人なめるなよ』と。日本がここで、何も文句を言わなかったら…。それ(抗議をへて)ちょっと甘くしてくれると思う。日本選手団からプレッシャーがあった−ってなると、審判団も『日本選手には気をつけなきゃいけないな』となる」
先の戦いを見据えた上での抗議だったのではないかと推察した。
続けて、審判団に対しても「審判も国の代表として出てるわけですから、そういう所をはっきりやらなきいけないし。で、もうひとつは、説明不足ですよね」と指摘していた。