松本潤、独立後初の公の場は舞台『正三角関係』ゲネプロ公演 13年ぶりの舞台で花火師役で髭面を披露

松本潤、独立後初の公の場は舞台『正三角関係』ゲネプロ公演 13年ぶりの舞台で花火師役で髭面を披露

松本潤、13年ぶりの舞台出演『正三角関係』が開幕【写真:岡本隆史】

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劇団「NODA・MAP」の最新作

 嵐の松本潤、長澤まさみ、永山瑛太が出演する舞台『正三角関係』のゲネプロ公演が、10日に東京芸術劇場 プレイハウスにて行われた。13年ぶりの舞台出演かつ独立後初の公の場となるゲネプロ公演にて、松本は演技で観客を魅了。ゲネプロ公演の様子をリポートする。

 本作は、劇作家、演出家、役者である野田秀樹が率いる劇団「NODA・MAP」の最新作で、物語の入口は『カラマーゾフの兄弟』となっている。日本のとある場所、とある時代の花火師の家族、“唐松族の三兄弟”の新しい物語だ。3きょうだいを演じるのは松本、長澤、永山の3人で、野田は「この作品のために生まれてきた3人」としている。松本は野田と20年前に出会ってから、野田による数多くのワークショップに参加しており、文字通り、満を持しての「NODA・MAP」初登場になる。

 上演時間になって照明が暗くなると、ザ・カーナビーツの『好きさ好きさ好きさ』が流れ、アンサンブルキャストたちが開演前から舞台上に散乱していた脱ぎ捨てられた服や靴を身につけていく。そこに、不知火弁護士(しらぬいべんごし=野田)と盟神探湯検事(くがたちけんじ=竹中直人)が登場。生牡蠣裁判長の「被告入廷してください」というセリフをきっかけに、花火師の長男・唐松富太郎(からまつ・とみたろう=松本)も姿を現す。さらに「証人たち、入廷してください」というセリフで、聖職者の三男・唐松在良(からまつ・ありよし=長澤)、物理学者の次男・唐松威蕃(からまつ・いわん=永山)の2人も登場し、開演数分で主要キャストが舞台上にそろった。

 弁護士と検事と裁判官がいるシチュエーションでまさに“法廷劇”となっており、父親殺しの罪に問われる富太郎は手錠をかけられている。在良と威蕃が証人として、そんな富太郎を見守るところから本作は始まった。

 髭面で花火の絵を施した黒い法被を身にまとった富太郎は、父親(唐松兵頭/からまつ・ひょうどう=竹中)殺しについての問いかけに「飲みすぎと女好きの罪は認めます。しかし、あの男の死に関しては無実」と声をあらげて主張する。このまま法廷シーンで話が進んでいくかと思いきや、富太郎・在良・威蕃の3人が三角形の位置に立ち、花火師・聖職者・物理学者というそれぞれの夢を一人ずつ語っていく。

 続けて、証人らが法廷で証言をする度に、すべてを回想シーンとして表現していく構成となっており、演者らが総動員で動き、場面転換をしていく。一つの証言でも“ある単語”を異なる意味として捉えることで、富太郎の言動の見え方には大きな違いがあることが分かり、同じ回想シーンを二回以上再現することも。その後も法廷シーンと証言を再現する回想シーンが何度も行き来を繰り返す構成だが、どちらがどちらかと混乱することはなく、見事な場面転換で判決までの流れと3きょうだいの行く末の展開を進めていく。

 時折、威蕃がノートを取り出して量子についての答えを求める数式を書き始めるとその姿を頭上から撮影したものがスクリーンに写し出される演出も見られた。加えて、2役を演じる長澤は複数回の早着替えを披露し、在良と事件において重要人物となる露出の多い強気な女・グルーシェニカを一瞬で演じ分けてみせるところも見どころだ。

 演者全員が声を張り上げ、常にテンポの良いスピード感のある会話をするシーンが続くが、観客を置いていくことはない。富太郎にくだされる判決と3人の夢がどうなっていくのか、約2時間15分の間、見事に劇団「NODA・MAP」の世界観へと引き込む作品となっている。

 公演は、7月11日の東京芸術劇場 プレイハウスを皮切りに、北九州公演を北九州芸術劇場大ホール、大阪公演をSkyシアターMBSにて上演。そして、大千穐楽をロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場にて迎える。全80公演で、8万8000人を動員する予定だ。

<公演概要>
○東京公演(東京芸術劇場プレイハウス)7月11日〜8月25日
○北九州公演(J:COM北九州芸術劇場大ホール)9月5日〜9月11日
○大阪公演(SkyシアターMBS)9月19日〜10月10日
○ロンドン公演(Sadler’s Wells Theatre)10月31日〜11月2日ENCOUNT編集部

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