松坂桃李は役作りの減量で「結婚後に激ヤセ」と書かれた…でも「痩せ方にも種類があるんです」

松坂桃李は役作りの減量で「結婚後に激ヤセ」と書かれた…でも「痩せ方にも種類があるんです」

役作りでの減量を「結婚後に激やせ」と報道された。「この映画が公開されて、真実が明らかになればいいな、と思っていました」=佐藤俊和撮影 【読売新聞社】

(読売新聞)

 2020年の本屋大賞受賞作を李相日監督が映画化した「流浪の月」が13日に公開される。女児誘拐事件の「被害者」と、逮捕された「加害者」が15年後に偶然再会したことから始まる物語。元誘拐犯を演じた松坂桃李は、「この役にこれまでの役者人生の全てをぶつけた。完全に『彼』を理解できたとはとても言えませんが、悔いはない」と、充実した表情で語る。(山田恵美)

 李監督の「悪人」を10年の公開時に劇場で見て以来、「いつかこの人の映画に出たい」と願ってきた。その相手から直々に出演を依頼され、一も二もなく引き受けた後で、凪良ゆうの同名原作小説を手にしたという。「正直、まいったなと思いました。自分にやれるのか、不安で」

 演じる佐伯文は、名字を変え、ある地方都市でコーヒーを出す店を営む物静かな男。その店を、かつて“誘拐”した少女、今は大人の女性へと成長した更紗(広瀬すず)が客として訪れる。短い間アパートで一緒に過ごし、引き離された2人の間には、余人に理解されない特別な「つながり」がある。一方で、文は、更紗も知らないある「真実」をひた隠しにしていた。

 役作りは、「深い湖の底へ沈んでいくようだった」と振り返る。小説や脚本を読み込むとともに、撮影で使うアパートに一人で寝泊まりしてみたり、更紗と会えなくなった後の日々を想像し、日記の形でつづってみたり。「文の心を知りたくて、思いつくことは手当たり次第に何でもやってみました」とほほ笑む。

 その上で、少女時代の更紗は、文にとって「自由」や「生の実感」を教えてくれた存在だった、と思い至った。きょうだいとも、親友とも恋人ともつかない関係。「再会はうれしいけど、『真実』がもたらす絶望が一層深まって、苦しみもする。二つの相反する感情にぎゅーっと押し潰されたのが文。現場では、常にそれを胸にとどめていましたね」。丁寧に言葉を探す話しぶりに、誠実さがにじむ。

 ほっそりとしたトネリコの木に、自らを重ね合わせる文に近づくため、体形もかなり絞った。「孤狼の血 LEVEL2」の刑事・日岡役にも減量して臨んだが、「日岡は『ヤクザどもを駆逐してやる!』という、ギラギラした飢えを感じさせる体つき。文は全然違います。自分の中では、痩せ方にも種類があるんです」。専門家の指導のもと、計画を立てて“変身”していった。「それも仕事のうちなので」。さらりと言う。

 09年に俳優デビューし、20代は「がむしゃらに」出演作を重ねた。「コンスタントにお話をいただけるのはありがたい」としつつ、30歳を超え、「役にじっくりと取り組んでみたくなった」とも。「流浪の月」は、「自分史上、準備に最も時間をかけた作品」だった。「より深く、セリフの言葉一つ一つをいろんな角度から見ていきたい。それが、今の時間の使い方なのかなと思っていますね」

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